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国内航空、年間1兆円減収 新型コロナで利用減 打撃はリーマン以上

 新型コロナウイルス感染症の広がりが航空会社の経営に大きな打撃を与えている。需要の大幅な落ち込みで路線の縮小が止まらず、国内の業界団体は年間の減収額を1兆円規模と試算。現状をリーマン・ショック以上の「未曽有の危機」と位置付ける。雇用への影響も表面化し、終息まで正念場が続きそうだ。

 全日本空輸や日本航空、国内の格安航空会社(LCC)などでつくる定期航空協会は2~5月で4000億円以上の減収を見込む。イラク戦争と重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行による年間減収額の約1700億円、リーマン・ショック時の年間約3000億円を数カ月で上回る計算となる。

 新型コロナの影響で利用者の減少に歯止めがかからず、協会は「旅客数が1桁台の便も散見される」状況を懸念。政府に対し、空港使用料や航空機燃料税の支払い猶予などを要望している。

 事態が深刻化している背景には国内需要の減退がある。催しの中止や延期で人の動きが鈍っているためで、今年の夏ダイヤでは全日空と日航がそれぞれ、対象期間の国内線を約2割減らすことを決定。スカイマークも便を減らす方針だ。

 SARSが流行した際は、国内線への打撃は小さかったとされる。航空業界の関係者は「安定した収入基盤の国内線がこれほど落ち込んだ例はない」と話す。

 国際線も感染拡大を防ぐための各国の移動制限が響く。主要路線の米国などで、航空大手は大規模な減便を余儀なくされている。

 全日空は減便で余剰人員が生じることから、約5000人の客室乗務員を対象とする一時帰休の実施を労働組合側に提案した。「雇用を守るための措置」としており、1人当たり数日程度休業してもらうことを想定する。

 事業環境の激変を踏まえ、手元資金を厚くする動きも出ている。日航は総額200億円の社債を発行。スターフライヤーは金融機関から計41億円の借り入れを決めた。

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