リーダーの視点 鶴田東洋彦が聞く

「最後までやり抜く」信念に 学生時代は野球一筋(2-2)

 --好きな言葉は

 「社員に対しては、『お互い伝えあって、理解しあい、認めあって、実践しよう』を心がけようと話している。利他の心に通じる。仲間を信頼してコミュニケーションを取れば自分の力がチームの力になり、会社の力につながる。今年4月から掲示しているポスターでは『Take Action』『ひとりひとりがチームの力』というメッセージを載せた。これまでの『挑戦』から一歩進んで『行動』に移す。みんなが力を合わせると大きな力になるという思いを込めた」

 「若いとき、先輩から学んだことだが、『信念と確信を持って最後までやり抜く』を座右の銘にしている。どんな難工事にも挑戦して克服してきた熊谷組のDNAの一つでもあるからだ。今年の入社式でも『誠実さと挑戦心、あきらめないという熊谷組の精神が脈々と流れている』と話した。苦難を乗り越えることができたのは、タスキをつないだ社員のおかげだ」

 --熊谷組マインドの伝承が大事だ

 「私が入社した頃は、(くろよん=黒部川第四発電所=のトンネル工事の苦闘を描いた映画)『黒部の太陽』を新入社員研修などで見せられたものだ。今はそういう時代ではないのかもしれないが、先人たちの残した遺構を見たり、苦労を知ったりすることは、当社事業の社会的意義を理解する意味においても、また熊谷組マインドを伝承していく上でも重要だ。熊谷組創業の地、福井に当社のルーツをたどれる展示室を作りたいと思っている」

 --野球に打ち込んだと聞くが

 「入社前年の10月1日に内定をもらって、人事部長に『野球をやりたい』と伝えたところ、『(都市対抗野球で優勝経験を持つ名門)熊谷組はノンプロでもすごい(強い)チーム。プロに行く選手をスカウトして採用している』といわれて断られた。だが、『どうしても入りたい』というと入社前の2月に野球部の春合宿にテスト生として参加を許された」

 「ブルペンで投げることになるので、いいところを見せようと正月返上で練習に励んだ。そのチャンスが訪れたので20~30球ほど全力投球したところで、捕手が『そろそろ本気で投げろ』と。どうしたものかと思いながら2、3球投げると『もういいよ』といわれた。その捕手は高校時代に作新学院(栃木県)のエース江川卓投手の球を捕っていた小倉(現亀岡)偉民さんだった。その後、衆議院議員になった亀岡さんは『私が受けた中で一番遅い球を投げた人』と紹介してくれる。ありがたいことだ」

 --野球はあきらめた

 「その夜に監督に呼ばれ『投手は無理だ。ほかは?』といわれ『一塁手、外野も守れる』と答えた。元気がよく、足も速かったので1年間は球拾いを続けた。京大時代は25勝をあげたけど通用しなかった。当時は関西六大学の2部リーグで、不遇の時代だったが楽しかった。同じグラウンドで汗を流した仲間と結束を強めることができた」

 --今はどうやって汗を流しているか

 「体を動かすのが好きで、唯一のストレス発散法だ。ゴルフやスポーツジムに通い、散歩を日課にしている。土・日曜日の一方は必ず家内と過ごし、心身ともにリラックスできる時間にしている。ただ、今は新型コロナウイルスの影響でゴルフもジムも行けない。週末の空いた時間の有効活用を模索している」

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus