テクノロジー

PCR検査を遠隔操作のロボットで 神戸の企業開発、10月の実用化目指す

 川崎重工業と医療検査機器大手のシスメックスが出資するメディカロイド(神戸市中央区)は3日、新型コロナウイルスの感染の有無を調べるPCR検査の検体採取を、遠隔操作で行うロボットを開発すると発表した。医療従事者の感染リスクを軽減させ、検査体制の大幅な拡充が可能になるといい、10月からの実用開始を目指す。

 同社は検体採取以外の検査工程や患者のケアを行うロボットも開発する計画で、ロボットによる一連のシステムが導入されれば世界初としている。神戸市とも連携し、市は約5千万円を補助するほか、社会実装に向けて市内の医療機関との調整役を担う。

 同社によると、梱包作業を自動で行う川崎重工業の産業用ロボットがベース。医師が別室からロボットのモニター越しにアームを操作し、患者の鼻腔から綿棒で粘液を取る。アームが患部に触れたり物をつかんだりする際には、受けた振動が医師に伝わる仕組みで、対面による採取と変わらない作業が可能。すでに模擬検体を使ったテストの段階に入っている。

 ほかにもPCR検査に必要な検体の感染力をなくす作業や反応液試薬の調整、遺伝子増幅といった工程にロボットを導入。感染者のケアを行う移動型ロボットもつくる。

 鼻腔からの検体採取は厚生労働省の薬事承認が得られ次第となるが、まずは承認の不要な唾液による検査を10月からロボットで行いたいとしている。

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