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豊田章男社長、株主総会で見せた涙 「全従業員で地道な努力」 (1/2ページ)

 トヨタ自動車は11日、愛知県豊田市の本社で定時株主総会を開いた。新型コロナウイルスによる経済悪化が平成20年のリーマン・ショック以上と見込まれるなか豊田章男社長は、約10年間の継続的な収益構造改善で「体質が強化されており、リーマンの時と違う。トヨタは大丈夫です」と強調。販売台数激減が避けられないなかでも黒字を確保できると改めて宣言した。

 新型コロナで大半の企業が今期業績予想を先送りするなかトヨタは5月、連結の世界販売台数が前期比約2割減の700万台、営業利益は約8割減となるものの、5千億円の営業黒字との見通しを公表していた。

 総会では、「見通しはあてになるのか」との株主の声に対し豊田氏が「取引先などに波及効果が大きい産業として何らかの基準を出すのが責務。世の中を元気にし『幸せを量産』する会社としたかった」と説明。「最低でも守らなければならない基準」とも語り、裏打ちとして、販売台数15%減で4610億円の営業赤字だったリーマン時よりも「損益分岐点の台数を200万台下げられた」と大きな体質改善があると明かした。当時は「700万台規模」が分岐点としていた。

 「この見通しは、地道な努力を続けてきた世界37万人の従業員ら全員で作り上げたもの」と現場を慮り、涙を見せる場面もあった。

 雇用にも影響する「国内生産300万台体制」が維持可能か不安視する声には、河合満執行役員が「取引先を含む人材や技術の維持には母工場の日本に量産現場が必要。死守する」と強調。稼働停止での足元の需要急減に対して取引先に、マスク生産の依頼や生産性向上策指導などで支援していると明かした。

 一方で、見通しは「あくまでも1つの基準」としており達成は世界の感染動向にも左右される。さらに車に求められる価値感の変化が“コロナ後”に加速する可能性もある。すでに車メーカーから「移動」を軸に新たな生活を提供する「モビリティーカンパニー」への変革は打ち出しているが、技術部門の役員は自動運転といった「モビリティーとデジタル技術が生活にどう行かせるか研究する必要がある」とし、街全体をITでつなぎ、静岡県裾野市に来年着工予定の次世代都市「スマートシティー」などへの投資の継続が重要との認識を強調。株主は「トヨタがつくった街に住みたい」と話した。

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