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1年で部数17倍 「鬼滅の刃」が改めて示すメディアミックスの強さ (1/2ページ)

 今年上半期、週刊少年ジャンプ(集英社)と週刊少年マガジン(講談社)のエース格作品が相次ぎ終了した。前者は吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの「鬼滅の刃」、後者は春場ねぎさんの「五等分の花嫁」。両作品は漫画に留まらず、アニメや音楽、ゲームなどさまざまなメディアに展開しており、今後もアニメの続編が控える。連載終了後もファンの熱は覚めておらず、メディアミックスの強さを改めて示している。(本間英士)

 小説版もベストセラー

 「鬼滅の刃」は令和最初のメガヒット作だ。書店で売り切れが相次ぐなど社会現象を巻き起こし、人気絶頂の先月、4年3カ月の連載に幕を下ろした。

 「鬼滅の刃」には特徴的な現象がある。漫画の累計発行部数(電子版含む)が昨年、異様な伸びを示したのだ。昨年4月時点で350万部だったのが、昨年11月には2500万部に急増。今年5月には6000万部を突破し、約1年で17倍も数字を伸ばしたことになる。オリコンなどのコミックランキングでは、同作が上位を独占することはざら。「『ONE PIECE』と並び、いま日本で一番売れている漫画」(出版関係者)といえる。

 “鬼滅ブーム”は漫画だけではない。出版取次大手の日販が集計・発表した今年上半期のベストセラーでは、同作を矢島綾さんが小説化した「鬼滅の刃 片羽の蝶」「鬼滅の刃 しあわせの花」が総合1、2位を独占。2冊の累計発行部数は176万部を超えた。一部ファンの間では髪の毛をキャラクターと同じ色に染めることも流行した。

 アニメ化で子供がハマる

 急増のカギは「メディアミックス」にある。昨年4~9月、アニメ版が放送。高品質の和テイスト作画や音楽などが話題を呼び、アマゾンプライムビデオなど大手配信サービスで配信されたことから、それまで同作に触れたことがなかった層に届いたのだ。

 面白さに気づいた子供たちは、口コミやインターネットの評判を通じて友人に伝え、学校内で評判になる。アニメは7巻途中までの内容だったため続きが気になり、単行本を買う。そして、その流れは親世代や祖父母にも波及する-という流れが生まれた。主題歌を歌った歌手のLiSAさんが昨年末のNHK紅白歌合戦に出場し、主題歌「紅蓮華(ぐれんげ)」を披露したのは、世代を超えた鬼滅ブームを象徴する光景だった。

 もう一作、メディアミックスが効果を発揮したのが、2月に連載終了した「五等分の花嫁」だ。同作も昨年1~3月のアニメ化により人気が爆発的に広がり、昨年5月には講談社漫画賞(少年部門)を受賞。現在の累計発行部数は1250万部を突破した。

 特徴はヒロインである五つ子たちが放つそれぞれの個性と魅力にある。アニメ放送後、声優情報誌「声優グランプリ」で主演女性声優を特集した号が大きく売れ行きを伸ばすなど話題になった。講談社漫画賞の選考委員を務めたラブコメ漫画界の大家、赤松健さんは「ハーレム系美少女ラブコメの最終完成版」と称賛した。

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