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シャープ社長に野村氏昇任、戴氏は会長 「守り」固める二頭体制発表

 シャープは29日、堺市の本社で開いた株主総会後の取締役会で、生え抜きの野村勝明副社長が社長兼最高執行責任者(COO)に昇格する人事を正式に決めた。台湾・鴻海精密工業出身の戴正呉会長兼社長は会長兼最高経営責任者(CEO)となった。新型コロナウイルスの流行で経営環境が悪化する中、戴氏と野村氏の「二頭体制」で再び成長を目指す。

 戴氏は2016年から社長を務めてきた。17年度に連結最終損益の黒字化を果たしたものの、19年度は減収減益だった。コロナ禍を乗りきるために続投するとの見方が強かったが、財務に強い野村氏を後任に起用して「守り」を固めた。野村氏は総会で「必ず業績を回復させる」と宣言した。

 戴氏はこの日の株主総会に先立ち鴻海の取締役を退任しており、シャープの経営に専念する。総会では、野村氏に関して「お互いの考え方や仕事のやり方を熟知している。事業や管理にも精通している」と説明。野村氏が主に国内事業を、戴氏が主に海外を担当するとも話した。

 野村氏は社内で「堅実派」との見方が強いが、株主からは「それほど実績を上げていない」と指摘される一幕もあった。

 シャープは総会後に経営説明会を開き、戴氏は「新規事業の取り組みを強化し、シャープのブランドを広めていく」と述べた。健康分野で事業を拡大していく。

 野村氏は、米アップルとの共同買収を検討しているジャパンディスプレイ(JDI)の白山工場(石川県)の交渉状況を株主から問われ「個別の取引について詳細な説明はできない」と述べた。

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