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ストライク コロナ契機のM&A需要、仲人役に力

 ストライク社長・荒井邦彦さん(49)

 --新型コロナウイルスの感染拡大で、中小企業のM&A(企業の合併・買収)の動向は

 「譲渡・売却と買収の両方のニーズがある。業種はさまざまで、宿泊や旅行、小売りなどが目立つ。譲渡・売却は業績が悪い企業が目立つ。余力がある企業は少し様子見をしている。買収側も目先の資金確保を優先し、見送る動きが出ている。資金確保のために子会社を売却する動きもあり、コロナを契機に事業の『選択と集中』を行うことで、利益を得ようとする企業も増えている」

 --新型コロナは経営者の考えを変えているか

 「今後の方向性で悩んでいた経営者の背中を押している。子供に継がせるのはどうかと考えている経営者も多い。もう潮時と考える経営者もいる。どうしようかと考えていた経営者が廃業やM&Aの検討を始めている」

 --新型コロナで、中小企業のM&Aはどう変わるとみているのか

 「2つの現象が起こると思う。一つは生き残った会社がさらに力を付け、寡占化が進む。後継者不在の優良会社を買収した企業が強くなる。もう一つは、コロナの影響で、手続きが大変だった商業・法人登記が、弁護士ドットコムが運営する『クラウドサイン』の電子署名で対応できるようになったが、このような地殻変動が起きていく。そうなると、隙間ができ、新たなビジネスを開発するスタートアップが生まれる土壌ができる。スタートアップを大企業が吸収する動きも出てくると思う」

 --そうした変化の中で、どう対応していくのか

 「われわれは仲人業で、結婚の意思がある人に最適な相手を勧めるのが仕事で、どんどん出向いていきたい。経営体力がある会社は廃業する必要はなく、M&Aを行えば、事業を継続できる。M&Aという方法を知らない経営者も多く、啓発活動に力を入れていきたい」

 あらい・くにひこ 一橋大商卒。1993年太田昭和監査法人(現EY新日本監査法人)を経て、97年にストライクを設立。公認会計士、税理士の資格を持つ。千葉県出身。

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