金融

城南とさわやか信金、地元と最先端企業橋渡し 羽田空港近辺に相次ぎ事業拠点

 東京都内を主な営業基盤とする城南信用金庫(東京都品川区)とさわやか信用金庫(同大田区)は、羽田空港近くにある再開発地区(同)に事業支援拠点をそれぞれ開設した。現金を扱う窓口やATM(現金自動預払機)はなく、非金融サービスに特化した実験的店舗と位置付ける。

 両拠点とも、京浜急行電鉄空港線と東京モノレールの天空橋駅のほぼ真上にできる複合施設「羽田イノベーションシティ」の3階にある。年間8500万人が利用する羽田空港近くという立地を生かし、国内外の最先端のビジネスモデルを持つ企業と地元中小企業との新たな取引や販路の開拓を後押しし、新規事業の創出につなげる。

 城南信金の「よい仕事おこしプラザ」は約240平方メートルのスペースに、ガラス戸で仕切った6席分の会議室を4部屋を設け、商談ができるようにした。ガラス戸を開放すれば、約70人収容のセミナーなども開ける。

 城南信金は全国約150の信金と連携した販路開拓組織「よい仕事おこしネットワーク」の事務局を務めている。同ネットワークに参加する各地の信金もこの施設を使えるようにする。

 開設日の3日には、大手企業と中小製造業による受発注商談会、さらに山口県宇部市がオンラインによる企業誘致相談会を開いた。船舶や建機向けのパイプを製造する羽田パイプ製造所(大田区)の野口雄司社長は「コロナ禍で商談会や展示会が中止になる中、こうした場ができることは非常にありがたい」と話していた。

 一方、さわやか信金の「ビジネスマッチングセンター」は約165平方メートルのスペースに商談用の会議室2部屋とオープンスペースを備えた。オープンスペースはオンライン形式での製品サンプル展示会なども開けるようにした。さわやか信金と提携している経営や事業承継に関するコンサルティング会社による相談会も随時開く。

 篠啓友理事長は3日の開所式で、「中小企業のビジネスの発展に有益な施設にしていく」と抱負を述べた。

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