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伊藤忠、ファミマにTOB、一体経営を加速

 伊藤忠商事は8日、子会社であるコンビニエンスストア大手ファミリーマートに対しTOB(株式公開買い付け)を実施、全株式を約5800億円で取得し、ほぼ完全子会社化すると発表した。ファミマを上場廃止にし、経営の意思決定を迅速化する。その後、全国農業協同組合連合会(JA全農)と農林中央金庫(農林中金)がファミマ株4・9%を約570億円で取得し、資本参加する。

 TOB価格は2300円で、8日の終値に対し約3割の上乗せ。今回、伊藤忠では、消費者に密着して事業を展開するファミマに対し、さまざまなデジタル技術を追加することで、インターネット通販事業や、個人金融サービスなどを大幅に強化し、新しいコンビニ事業に発展させたいとしている。そのため一体化経営を進める考えだ。

 これまで店舗数を拡大させ、堅調に成長してきたコンビニ事業だが、アマゾン・コムなどネット事業者との競争も激しくなっている。さらに、新型コロナウイルス感染拡大で、消費者の行動や思考も大きく変化する可能性が高い。そういった変化に対応するため、伊藤忠ではファミマの抜本改革を図る。

 伊藤忠は平成10年にファミマを持ち分法適用会社とした後、30年の追加出資(当時はユニー・ファミリーマートホールディングス)で子会社化し、現在はグループで50・1%を保有している。(平尾孝)

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