栃木県足利市錦町のソース製造販売会社「月星食品」が今月、同社前に自社製ソースを扱う自動販売機を設置した。今年お目見えした新商品で人気を集めている「とちおとめ いちごソース」など常時10種類を扱い、同社は「販売促進と足利のPRにもつながれば」と話している。
同社は明治28(1895)年創業の老舗。「月星ソース」の名称で知られる。現在、家庭用60種類、業務用300種類を手掛けている。
今年春、新型コロナウイルスによる需要減で抱えた加工用の県産とちおとめの在庫約2トンを活用し、新たにいちごソースを開発。5月から売り出したところ、インターネットなどで「フルーティーでおいしい」などと話題になった。全国から注文が殺到し、生産に追われている。
同社窓口でも1日で20本という売れ行き。ファンからは「(同社が休業の)土日を含め、もっと手軽に買えないか」などの問い合わせが相次いだ。このため同社は全国的にも珍しいソース自販機の設置を決めた。設置費用は約100万円で、いちごソース商品化のために行ったクラウドファンディングに寄せられた資金などを活用した。
自販機は特注品で、左右側面には自社製品のボトルがデザインされている。新型コロナウイルス感染防止のため、定期的に消毒するという。
長沼幹雄社長(47)は「自販機設置は県内初では。インスタ映えがするので、話題となり足利のソース文化を知ってもらう契機になってほしい」と話している。(川岸等)