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営業自粛でビール販売4分の1減 令和2年上半期 第3のビールは好調 新たな生活様式

 ビール大手4社の令和2年1~6月(上期)のビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)の販売動向が10日、出そろった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた飲食店に対する営業自粛要請などにより、ビールの販売数量が前年同期比で約4分の1減少した。ただ、巣ごもり需要や節約志向が反映され、家庭で飲まれる第3のビールの売り上げが伸びるなど、新たな生活様式も垣間見えた。

 業界推計では上期のビール類販売数量は10%減。ジャンル別でみると、ビールが26%減だったほか、発泡酒は1%減、第3のビールは6%増となったもようだ。各社の販売数量はキリンビールが4%減、サッポロビールが7%減、サントリービールが11%減だった。実績を販売金額ベースで開示しているアサヒビールは17%減だった。

 いずれも緊急事態宣言後に飲食店の営業や外出の自粛が進んだ4月から販売が急減。キリンビールの布施孝之社長は「業務用は上期に4割減となった」と打ち明ける。営業再開で店は開いても「お客さんがまだ戻りきっていない」状況だと指摘する。

 一方、飲食店向けなどを中心にビールが激減した結果、販売構成比で第3のビールが半数近くを占めるなど、新たな消費形態もはっきりしつつある。

 第3のビールではキリンの「本麒麟」が39%増と支持を集め、販売数量でアサヒの「クリアアサヒ」を抜いた。上期中に新発売されたアサヒの「ザ・リッチ」とサッポロの「ゴールドスター」はともに好調で、販売計画を上方修正した。

 また不振だったビールの中でも家庭で飲まれる缶ビールでは、サッポロの「黒ラベル」が7%増、「エビスビール」も2%増と、他社の主力商品が前年割れする中でプラスを確保した。両商品は6月に2桁増を記録しており、「父の日需要もあったが、緊急事態宣言解除で巣ごもり消費に前向きさが出た」(サッポロ)結果だという。(日野稚子)

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