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パナソニック、経営改善の道のり厳しく

 4~6月期として9年ぶりの最終赤字に転落したパナソニック。新型コロナウイルスの感染拡大で売り上げの柱だった家電事業も低迷し、巨額投資をしてきた車載事業も営業赤字が続く。令和2年度(3年3月期)の業績予想では黒字を確保する見通しだが、太陽電池事業の構造改革が頓挫するなど、経営改善に向けた道筋が見えない。

 「赤字は深刻に受け止めている」

 パナソニックの梅田博和常務執行役員は、30日の決算説明会でこう述べた。

 同社は新型コロナの売上高への影響額を4~6月期は3500億円、2年度は計6500億円と算定。冷蔵庫などの白物家電は、1人10万円の特別定額給付金などで国内は回復しつつあるものの、海外市況の悪化が響き減収減益に。米電気自動車(EV)大手、テスラ向けを中心に数千億円を投資してきた車載事業は、国内外の自動車メーカーの工場停止などで95億円の営業赤字となった。

 中国企業との太陽電池事業での提携解消については「契約内容が履行されなかった」と説明。同事業は昨年撤退した液晶パネル事業や半導体事業などと合わせ「4つの構造的赤字事業」に位置付けている。マレーシア工場などの売却で3年度中の赤字解消を目指していたが、4年度中に先送りとなった。

 梅田常務は6月の売上高が前年同月比91%まで回復していると強調。「経営体質の強化を着実に推進する」とするものの、厳しい道のりが続く。(山本考志)

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