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大手商社、全社が業績悪化 住商以外は最終黒字確保

 大手総合商社の7社の令和2年4~6月期の連結決算(国際会計基準)が13日、出そろった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界的な経済活動の低迷で、全社とも業績は悪化した。特に住友商事が4~6月期としては、四半期決算の発表を始めた平成21年3月期以来、初の最終赤字に転落。それ以外の6社は最終黒字を確保したものの大幅な減益となった。

 13日に発表した三菱商事では4~6月期の最終利益が前年同期比77・3%減の366億円。全10グループのうち自動車・モビリティなど3グループが赤字となっており、増一行常務執行役員は、「未曽有の危機となるコロナショックの中で、厳しいスタートとなった」と振り返った。

 7社の中で最も苦戦したのは住商だ。アフリカのニッケルの採掘・生産事業がコロナ流行で、長期の操業停止となり、4~6月期に550億円の減損損失を出し、赤字となった。さらにコロナ関連で今期2500億円の一過性の損失を見込む中で、令和3年3月期に1500億円の最終赤字を予想し、事実上過去最悪の業績となる。

 各社の今期予想についても、前期に巨額の減損損失を計上した丸紅以外は業績悪化を見込む。特にコロナの影響は各社とも期初段階よりも大きなものになるとの想定だ。

 伊藤忠商事では鉢村剛専務執行役員が「当初は最終利益予想(4千億円)の10%程度とみていたが、15%に膨らむ可能性もある」と懸念する。また、双日は感染期間が長期化するとし、影響額の見通しを従来の約230億円から360億円に上積み。この結果、400億円としていた通期の最終利益予想を300億円に下方修正した。

 新型コロナが各社の業績を大きく冷やした格好だが、伊藤忠では北米の畜産事業、三井物産、丸紅では国内の内食向けの食料事業など、コロナ禍でも堅調に推移する事業を強化し、業績の落ち込みをカバーさせる考えだ。

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