金融

コロナ前の水準回復の株価 実体経済と乖離、急落の可能性も

 新型コロナウイルスの影響で低迷が続く実体経済とは裏腹に、株価は急速に回復している。27日の東京株式市場で日経平均株価の終値は2万3208円86銭と、新型コロナ感染拡大で暴落する前の2月21日終値(2万3386円74銭)の同水準まで回復。各国の金融緩和やワクチン開発進展による期待感が株価を押し上げている。だが、感染の再拡大や日米の政局によっては急落の懸念もあり、期待先行の危うさもはらむ。

 3月以降、日本銀行や米連邦準備制度理事会(FRB)など各国の中央銀行が異例の金融緩和策を進め、市場に大量の投資マネーが流入。緩和政策が今後も続くとの市場予測も後押しし、日経平均は3月19日(1万6552円83銭)を底に上昇傾向に転じて徐々に回復した。

 株価上昇の好材料の一方で、見通せない新型コロナの収束や米中関係の悪化、11月の米大統領選、安倍晋三首相の体調不安など不安材料も山積みだ。大和証券の谷栄一郎チーフストラテジストは「不安の顕在化で株価が急落するリスクへの警戒はすでに始まっている」と指摘する。

 その根拠として、確率は低いが起きると株価に大きな損害を及ぼすリスク度合いを映す「SKEW指数」が上昇していることを挙げる。過去には、米中貿易摩擦が激化した2018年10月や今年2月のコロナによる株価急落の際に同指数が同じように上昇している。

 6月の日銀の金融政策決定会合でも、複数の委員が「米国のSKEW指数が高止まりしている」と不安視し、株価急落の可能性を示唆している。

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