金融

新政権、失業対策が課題に 雇用環境が悪化

 新型コロナウイルス感染症の再拡大が、回復の兆しをみせた国内景気を再び押し戻している。厚生労働省が1日発表した、求職者1人当たりの求人数を示す7月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0・03ポイント減の1・08倍と7カ月連続で悪化。年内に1倍を割り込むとの指摘もあり、安倍晋三政権の功績である雇用環境の改善を食いつぶす恐れがある。

 有効求人倍率は消費税が8%に増税された平成26年4月以来、6年3カ月ぶりの低水準。また、コロナ関連の解雇や雇い止めは8月31日時点で見込みも含めて5万326人に上り、7月末から約9千人増加した。都道府県労働局やハローワークに相談があった事業所の報告に基づくもので実際はもっと多いとみられる。

 総務省が1日発表した7月の完全失業率(季節調整値)も、前月比0・1ポイント上昇の2・9%と2カ月ぶりに悪化した。休業手当の一部を国が補う「雇用調整助成金」の下支えもあり市場予測(3・0%)は下回ったが、非正規雇用の減少幅が前年同月比131万人減と6月(104万人減)から拡大するなど、雇用環境は厳しい状況が続く。

 また、財務省が1日発表した令和2年4~6月期の法人企業統計は、金融・保険業を除く全産業の経常利益が前年同期比46・6%減の12兆4140億円で、5四半期連続のマイナスだった。リーマン・ショック後の平成21年4~6月期(53・0%減)以来、11年ぶりの落ち込み幅。設備投資も約10年ぶりの減少率だ。

 企業の求人意欲低下と失業者の増加で「有効求人倍率は年末までに1倍を下回る可能性がある」(ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長)。安倍政権は求人倍率が1倍を大きく下回った民主党政権時の就職氷河期を売り手市場に変えたが、新政権は景気と雇用の回復が再び課題になる。

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