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電動二輪車「ヤディア」の利益2倍に 1時間で8割を充電可能なバッテリー技術 (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの感染拡大を追い風に、中国の電動二輪車メーカー、ヤディア・グループ・ホールディングス(雅迪集団控股有限公司)が業績を伸ばしている。コロナ禍で人々が通勤手段の再考を強いられる中、同社の需要はここ数カ月で急増している。

 1時間で8割充電

 上海在住のリン・シューさんは「誰もがこの疫病を恐れている。『通勤を続ける必要があるなら一緒にならないようにしよう』とほとんどの人が考える可能性がある」と話す。シューさん一家は昨年12月以降、ヤディアの電動バイクを4台購入した。

 ウイルスの感染対策で実施されたロックダウン(都市封鎖)の解除で人々の生活がある種の常態に戻る中、ますます多くの人々が渋滞したバスや地下鉄以外の移動手段を探し求めている。第一上海証券のアナリスト、チン・ギョウカ氏はそのことが二輪車業界のプラスになると指摘。ヤディアは今年上半期の利益が前年同期の2倍以上に膨らんだ。

 チン氏は、ヤディアの強みはバッテリー技術にあるという。同社によれば、炭素同位体のグラフェン素材を用いたバッテリーはわずか1時間で8割の充電を可能にしているという。

 ヤディアの共同創業者である董経貴、銭静紅夫妻は二輪車メーカーで数年働いた後、2001年に上海の西にある人口約350万人の都市、江蘇省無錫で同社を設立した。16年に香港市場に株式上場し、2人で同社株を67%保有する支配株主だ。

 ブルームバーグ・ビリオネア指数によれば、ヤディアの株価は今年3月に最安値を付けて以来、4倍以上に膨らみ、創業者夫妻の富を合計19億ドル(約2002億円)に押し上げた。

 17年以降は増益続きで、昨年の利益は5億1600万元(約79億2060万円)に達した。162モデルの電動スクーター、バイクを製造する売り上げの9割は中国本土から得ている半面、米国やドイツなど約80カ国にも輸出。昨年はベトナムとドイツに子会社を開設した。

 そんなヤディアの広告に出演し、低い声で優しく歌うスパイを演じているのが米ハリウッドのアクションスター、ヴィン・ディーゼルだ。カーアクション映画『ワイルド・スピード』シリーズでマッスルカーを運転するアンチヒーローが当たり役のディーゼルは、近頃は中国出身の夫婦がさらに金持ちになる手助けをしている。

 価格低下の追い風

 ヤディアはインターネットにつながるコネクテッドバイクを製造しているが、華泰証券の8月のリポートによると、19年のヤディアのバイクの平均販売価格は1964元と、ライバルのニウ・テクノロジーズ(小牛科技)の4900元超を大きく下回った。高級スクーターの需要に応じるためにヤディアは昨年、G5モデルを投入。大手ショッピングサイト「京東商城」での小売価格は約8000元となっている。

 カレン・オムダールさんは新型コロナの影響で、電動よりも一般的なガソリンバイクの運転免許更新ができず、最近、ヤディアのスクーターをベトナムで購入した。「社会通念的なものにとらわれず、家族が見たことのない技術や聞いたことのないブランドを選んだ。環境に配慮する者として、電動バイクに気持ちが傾いた」と話す。

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