金融

日産融資に政府保証1300億円 政投銀5月決定、危機対応で最大

 政府系金融機関の日本政策投資銀行が5月に決めた日産自動車への危機対応融資1800億円のうち、1300億円に政府保証を付けていたことが7日、分かった。危機対応融資の政府保証額としては過去最大となる。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて販売不振が続く日産だが、仮に返済が滞った場合、保証分の8割を国が実質補填(ほてん)するため、国民負担が生じる可能性がある。

 日産はコロナ禍で資金繰りが厳しくなっており、政投銀の融資がなければさらに資金繰りが悪化する懸念が高まっている。地方を含め多くの下請け企業を抱えているため、経営難が長期化すれば雇用などへの影響が大きいことから、緊急に政府保証付き融資が必要と判断し、政府保証を求めたという。

 政府は3月から、新型コロナで業績が悪化した企業に対し、政府系金融機関を通じて危機対応融資を実施。貸す側は政府保証に当たる「損害担保契約」を日本政策金融公庫と結ぶことで、融資が焦げ付いた際に国から一定割合の返済を肩代わりしてもらうことができる。2009年には経営再建中の日本航空に対し約670億円の政府保証付き融資を実施したが、翌年には日航が経営破綻。約470億円の国民負担が生じた。

 政投銀はコロナ関連で大手や中堅企業に対して計約1兆8000億円(今年7月末時点)の危機対応融資を実施しているが、新型コロナで損害担保が付いたのは日産が初めてとなる。

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【用語解説】危機対応融資の政府保証

 政府系金融機関の日本政策投資銀行や商工中金が、大規模災害や金融危機などを受け実行した融資が焦げ付いた場合、国が実質的に損失を補填(ほてん)する仕組み。政投銀は同じく政府系の日本政策金融公庫と損害担保契約を結んで補償料を支払い、返済が滞れば融資額の最大8割の補償金を受け取れる。事実上の政府保証になる。危機時は資金繰りに窮した企業への緊急融資が多くなるため、貸し倒れに備えた法律上の措置。

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