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検察×日産ケリー被告全面対決「開示避ける方策」「合法的方法探った」

 「主役不在」のまま長期にわたる法廷闘争が幕を開けた。日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告(66)の役員報酬を過少記載したとして、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪に問われた元代表取締役、グレゴリー・ケリー被告(64)。東京地裁で15日に開かれた初公判では、レバノンに逃亡したゴーン被告と歩調を合わせるかのように、検察側と全面対決する姿勢を鮮明にした。

 起訴状などによると、ケリー被告はゴーン被告と共謀し、平成22~29年度のゴーン被告の役員報酬が、退任後の受け取り分も含め計約170億円だったのに、約91億円少なく記した報告書を提出したとされる。

 一昨年11月の逮捕以降、初めて公の場に姿を現したケリー被告は、グレーのスーツに白いワイシャツ、赤地のネクタイ姿。罪状認否では「私は公訴事実を否認します。犯罪の共謀に関与していません」とした上で「退任後に彼(ゴーン被告)をつなぎとめるために合法的方法を探ろうとした」と述べた。

 検察側は冒頭陳述で、「ゴーン被告は自身を含む各取締役の報酬額を決定する権限を持っていた」と指摘。その上で、両被告らが平成22年2月ごろ、1億円以上の役員報酬開示制度が導入される見通しとなったことから、「(見かけ上の)ゴーン被告の報酬額を10億円未満に抑える方策を検討した」のが事件のきっかけだったとした。

 また、ケリー被告が日本人元秘書室長に開示を避けつつ支払う方法をまとめるよう指示したとも主張。外国人執行役員に対しては、報酬として支払う資金の流れが発覚しないよう、オランダに非連結子会社を、アラブ首長国連邦(UAE)にはその子会社を、それぞれ設立させたとした。

 さらに、23年3月ごろには、ゴーン被告が取締役退任後に支払いを受ける案を選択したとし、以降、「金額が明記され、取締役退任後に相談役報酬等の名目で支払う」という合意文書などが作成されたことなども明らかにした。

 ケリー被告は指を組みながら検察側の冒頭陳述に耳を傾け、時折、メモを取るなどしていた。

 これに対し、弁護側は冒頭陳述で「支払い方法の検討はあくまで合法的な方法がないかという検討だ」「被告が関与した書面は、ゴーン被告が退職後に日産に提供する業務の対価で、取締役時に果たした業務に対する後払いではない」などと、検察側の主張に反論。今回起訴された内容が事実と認定されたとしても過少記載は虚偽記載ではなく不記載に過ぎず、「刑事処罰の対象となる事案ではない」とも訴えた。

 一方、起訴内容を認めた法人としての日産の弁護人は冒頭陳述で「ゴーン被告の私的利益を目的とした犯行で、企業の不正な利益を目的とした犯罪ではない」と述べ、かつてのトップを切り捨てた。

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