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くら寿司、漁協から天然魚の買い付け注力 漁業者と共存共栄目指す

 回転ずし大手のくら寿司が全国の漁協からの天然魚買い付けに力を入れている。水揚げした魚を一括して仕入れることで天然魚を安く提供できることに加え、漁業者の収入安定につなげることで担い手不足を解消する狙いもある。

 輸入品が多くを占めるすしネタを国内各地から産地直送で継続的に提供しようと「天然魚プロジェクト」を2010年から始めた。現在国内から仕入れる天然魚は年1500トンで、全国の店舗で扱うすしネタのうち3~4%程度という。

 全国109の漁港から仕入れた天然魚は「貝塚センター」(大阪府貝塚市)に運ばれ、うろこを取ったり三枚におろしたりする。貝塚市の工場が4年前に完成したことで、より多くの天然魚を仕入れてさばけるようになった。

 仕入れは専任のバイヤーが担う。市場を介さず直接買うため、お互いに有利な価格で取引ができ、漁業者の収入増にもつながる。福井、香川、愛媛の各県の漁港では、定置網漁で取れた魚を全て買う「一船買い」を年間契約で行っており、漁業者は売れ残りをなくすことができる。定置網にかかった魚のうち、小さいものは養殖用のいけすに放し、大きくなるまで育てる計画も進んでいる。

 農林水産省によると、19年の日本の漁業・養殖業生産量は416万トン(速報値)とピークから3分の1に減少した。18年の個人経営漁業者の平均漁労所得も248万円と比較的低水準で、職業としての魅力向上が課題となっている。くら寿司の広報担当者は「回転ずし業者と漁業者は共存共栄の関係。今後もプロジェクトを発展させたい」と意気込みを語った。

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