ハザードマップ

アマン/昌和自動車 ポルシェ専業、粉飾決算で信用失墜

 ▼アマン アマンは8月31日、金沢地裁小松支部に破産を申請した。

 2001年5月に、約7億円を投じてフィットネスクラブ「スポーツリゾートアマン」を開業。「癒やし」をテーマにスポーツクラブとスパリゾートを組み合わせたスタイルの会員制フィットネスクラブとして、ピーク時には2000人を超える会員を抱え、約2億円の年間売上高を計上していた。

 しかし、同業他社との競合などから会員数は減少の一途をたどり、初期投資による金融債務が負担となっていた。08年12月に本社不動産を売却し債務の圧縮を図ったが、2億円を超える売却損によって一気に債務超過に陥った。その後も、会員数の減少に歯止めが掛からず、売上高が落ち込む中、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態発出を受けて、4月中旬から約1カ月半の臨時休館を余儀なくされた。6月に営業を再開したが、厳しい状況が続き、事業継続を断念した。

 ▼昌和自動車 昌和自動車は8月27日、大阪地裁から破産開始決定を受けた。

 ポルシェ専業の小売店としては国内有数の老舗。大阪市西淀川区と兵庫県西宮市の2店舗でポルシェ社製乗用車全ラインの販売を手掛ける一方、2003年10月には新たに認定中古車の取り扱いを開始。05年以降、ポルシェジャパンが推進するブランド維持向上策に準拠した西大阪ポルシェセンター、西宮ポルシェセンターの本格稼動を開始して業容を拡大し、18年12月期には売上高130億5828万円を計上していた。

 しかし、同期には顧客とのトラブルなどで多額の赤字を計上。さらに、社員の横領など社内管理体制の不備も発覚するなか資金繰りが逼迫(ひっぱく)し、19年7月から8月にかけて金融機関に借入金返済のリスケジュールを申し込んでいた。だが、その過程で架空在庫などの粉飾決算が発覚し、金融機関との交渉は難航。19年12月末、事業を第三者に譲渡し、清算手続きに入っていた。

【会社概要】アマン

 ▽本社=石川県能美郡川北町

 ▽設立=2000年2月

 ▽資本金=7000万円

 ▽負債額=約3億750万円

【会社概要】昌和自動車

 ▽本社=大阪市西淀川区

 ▽設立=1959年7月

 ▽資本金=5000万円

 ▽負債額=約38億6000万円

 〈チェックポイント〉

 アマンの臨時休館は1カ月半にもおよび、営業再開後も芳しくなかった。コロナ破綻の多くはもともと債務超過などで苦しんでいた企業だ。そこに売り上げ回復と新しい生活様式への対応を同時に迫られ、負担となっている。資金繰り支援などの救済措置があるとはいえ、企業経営は我慢比べの様相を呈している。

 昌和自動車は顧客トラブルによる損失を発端に社員の横領、果ては粉飾決算の発覚と、ずさんな社内管理が噴出。信用失墜により取引金融機関からの協力が難しい状況に陥った。ポルシェ車の正規販売代理店として長年の実績と存在感を誇る老舗だったが、コンプライアンス(法令順守)違反に対する代償は大きかった。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus