金融

日銀、デジタル通貨研究に本腰 専従班格上げし精鋭配置

 日銀が将来的な中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を見据えた研究に本腰を入れ始めた。体制を拡充し、行内の主要ポストを歴任した「精鋭」を配置した。CBDCの研究は欧米や、中国などの新興国も力を入れており、日銀も民間企業を巻き込んで実証実験を計画するなど作業を加速する。

 日銀は7月、CBDCを扱う「デジタル通貨グループ」を創設した。2月に設立した研究チームを格上げし、専従で携わる職員を増やした。グループ長には奥野聡雄決済機構局審議役(51)を充てた。日銀ではグループ長に中堅の企画役が就くことが多く、局長に次ぐポストである審議役が就くのは異例だ。

 奥野氏は、金融政策の立案を担う政策企画課長や高知支店長を歴任し「官公庁に顔が広く、折衝力もある」(日銀幹部)と評される。実証実験には民間企業との連携が求められ、司令塔としての能力が見込まれた。

 デジタル通貨グループが設けられた決済機構局の局長には、政策企画課長として2013年4月に始まった異次元の金融緩和策の立案に携わった神山一成氏(54)が就いた。発想力が豊かなアイデアマンとされる。

 日銀内には「CBDCの研究は欧米と比べて進んでいるとは言えず、取り残されないようにしないといけない」(別の幹部)との危機感が強い。日銀は国内で実証実験を予定するほか、欧州中央銀行(ECB)や英中銀などと共同で、導入の利点や課題について研究を進めている。今後、体制を強化した成果が問われる場面が増えそうだ。

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