金融

ゆうちょ銀の不正引き出し歯止めかからず セキュリティー甘く顧客対応も後手 

 ゆうちょ銀行の貯金口座から不正に貯金が引き出された問題の拡大に歯止めがかからない。相次ぐ不正の露呈を受け、ようやく調査に本腰を入れ始めており、被害は今後さらに膨らむ可能性もある。セキュリティー対策や顧客対応が後手に回っているのは明らかで、かんぽ生命保険の不正販売問題に続き、グループの信頼を失いかねない事態だ。

 「他行と比較して相対的に安全性はとれているんだろうと判断してきた」。ゆうちょ銀行の池田憲人社長は24日の記者会見で自身の認識の甘さを認めた。

 NTTドコモのドコモ口座の問題を発端に相次ぎ発覚した、複数の決済サービス事業者や銀行での不正引き出しの中で、ゆうちょ銀の被害額は突出している。

 しかしゆうちょ銀の顧客対応は遅れが目立つ。複数の地銀が9日時点で実態を公表し、顧客に注意を呼び掛けているのに、ゆうちょ銀が具体的な被害件数や金額を公表したのは16日。池田氏は「少しでも早く公表すべきだった」と語るが、後の祭りだ。

 デビットカードの送金機能で最初の不正が分かったのは8月上旬で、9月以降に被害が広がった。即座にサービスを止めていれば被害を防げた可能性がある。

 一連の対応からは出遅れた決済サービスでの巻き返しを優先し、顧客を軽視していた実態が浮かぶ。日本郵政グループはかんぽ生命の不正販売問題からの出直しを誓ったばかりだが、今回の不祥事で再出発は一段と厳しさを増しそうだ。

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