金融

議決権集計1300社超で誤り 三井住友信託とみずほ信託

 三井住友信託銀行とみずほ信託銀行は24日、両行が請け負っていた議決権行使の集計作業で不適切な事務処理を行っていたと発表した。合わせて1300社超の総会で、株主の意見が一部反映されていなかった。株式会社の最高意思決定機関の場で、株主の権利を奪いかねない事態が生じていた。

 実際に事務処理を担っているのは、両行が折半出資して2008年4月に設立した日本株主データサービス(東京都杉並区)など3社。3社は総会が集中する時期に限り、郵便局との取り決めで特別に本来の配達日よりも1日早く議決権行使書を配達してもらっていた。期限当日に受け取った通知書は翌日に届くはずだったものと見なし、集計対象から外していた。

 調査の結果、三井住友信託は今年5~7月に総会を開いた975社、みずほ信託は6~7月に総会を開いた371社で有効票の未集計を確認した。ただ、いずれも議案の成否に影響はなかったと判断している。

 三井住友信託によると、繁忙期にスムーズに集計作業を進める目的で、少なくとも約20年前にはこの運用方法を導入していた。顧客企業や株主はそれを知らされていなかった。

 三井住友信託の西田豊取締役専務執行役員は同日、東京都内で開いた記者会見で「証券代行業務をご委託いただいている会社や株主の皆さまに多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを重く受け止めている」と陳謝した。

 東芝の株主であるシンガポールの投資ファンド、3D・インベストメント・パートナーズの指摘で露見した。3Dの行使書は期限の7月30日に三井住友信託側に届いていたが、翌31日の総会では無効とされた。

 両行は今後、集計方法を見直し、実際に通知書を受け取った日を基準に集計業務を行うとしている。

 議決権行使をめぐっては近年、スマートフォンを使った電子行使の利用が増えてきている。ただ、郵送による書面行使の比率は依然として高く、三井住友信託では今年の6月株主総会開催分で全体の約8割が書面行使だったという。

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【用語解説】株主総会の事務受託

 上場企業は株主総会の運営など株主とのやりとりに関わる事務作業を代行会社に委託している。代行業務は膨大な株主名簿の管理に加え、総会の招集通知の発送や議決権の集計、配当金の支払いまで多岐にわたる。三菱UFJ信託銀行と三井住友信託銀行、みずほ信託銀行の大手信託銀行のほか、数社の専門業者が手掛けている。

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