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日経平均バブル崩壊後の最高値更新でも消えない「コロナショック二番底」の恐怖 (1/3ページ)

 日経平均株価が11月6日、バブル崩壊後の最高値を更新した。コロナ禍の3月、世界同時株安の直撃で1万6552円まで下落した日経平均は、アメリカ大統領選の大勢が決したことなどにより、7カ月でV字回復した形だ。青山学院大学大学院教授の榊原正幸氏は「今後は日経平均株価が高止まりする可能性がありますが、株価の再度暴落、つまりコロナショックの二番底がやってくる恐れもある」と指摘する--。

 *本稿は、榊原正幸『現役大学教授が教える「お金の増やし方」の教科書』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

 株価の大暴落は「10年に一度」くらいの頻度で起こっている

 株価の大暴落に関しては、それを扱うだけで1冊の本が書けてしまうくらい奥が深いテーマです。そして、株価の大暴落に関して研究することには、大きな意義があります。なぜならば、株価の大暴落は実は「10年に一度」くらいの頻度で勃発してきているからです。

 リーマンショックの時に、アメリカのFRBの前議長だったグリーンスパン氏が、リーマン・ブラザーズの破綻に端を発した金融危機(=リーマンショック)のことを「100年に一度の危機」と述べました。この発言があまりにも有名になり、リーマンショック級の株価暴落も、あたかも「100年に一度」の出来事であるかのように印象づけられました。

 しかし事実はどうかというと、そうではないのです。戦後以来の70年間において、株価の大暴落は「10年に一度」くらいの頻度で勃発しています。少なくとも、日経平均株価については、それが事実です。ここでは、まずこの事実をつまびらかにしてみましょう。

 「バブル崩壊」以前の株価大暴落の歴史からわかること

 日本における株価大暴落の歴史を紐解きますと、1989年の年末以降の大暴落(「バブル崩壊」)以前にも、株価の大暴落は起こっているのです。それを簡潔にまとめますと、次のとおりです。

 【「バブル崩壊(1989年末~)」以前の株価大暴落の歴史】

 (1)戦後において東京証券取引所が開所した直後の1949年9月の高値(175円)から1950年7月の安値(85円)まで

 下落期間10カ月、下落率51.4%

 (2)1961年7月の高値(1829円)から1965年7月の安値(1020円)まで

 下落期間4年、下落率44.2%

 (3)1973年1月の高値(5,359円)から1974年10月の安値(3,355円)まで

 下落期間1年9カ月、下落率37.4%

 (4)1987年10月の高値(26,646円)から同年11月の安値(20,513円)まで

 下落期間2カ月、下落率23.0%

 日本は1986年から「バブル経済」が始まっていますので、1987年10月のブラックマンデーの時の下落は、期間も率も小幅なものに留まっています。

 このように、1989年の年末以降の「バブル崩壊」以前にも、1949年・1961年・1973年というように、かの「奇跡の高度経済成長期」の過程でさえも、「12年に一度の周期」で株価大暴落は起こっていたのです。

 1987年のブラックマンデーの時の下落は、株価下落の期間も率も小幅だったので「大暴落」からは除外すると、日本は1974年10月から1989年12月まで例外的に15年の長きにわたって株価の大暴落がなかったので、忘れられているだけで、こうして歴史を紐解いてみると、株価の大暴落というのは「12年に一度の周期」でやって来るものだということがわかります。

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