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時速360kmの超高速車両も受注…世界の鉄道市場で日立が存在感を発揮するワケ (4/5ページ)

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部

乗客の需要に応じた自動運転

 鉄道車両メーカー最大手は中国中車(CRRC)。これに欧州のシーメンス(ドイツ)とアルストム(フランス)が続き、この3社で鉄道「ビッグスリー」といわれる。その一角、アルストムが昨年2月、ボンバルディア(カナダ)の鉄道事業を買収することで合意。欧州連合(EU)欧州委員会は7月、買収を条件付きで承認すると発表した。アルストムとシーメンスの鉄道事業統合計画もあったが、こちらは欧州委員会が競争を阻害し消費者に不利益をもたらす恐れがあると判断して却下された過去がある。世界の鉄道車両メーカーではこうした合従連衡の動きが活発になっている。

 規模拡大を生かした価格攻勢を仕掛けなければ、世界市場での受注競争に太刀打ちできない。事業規模はビッグスリーには及ばないものの、日立も買収を進めている。2015年にはイタリアの鉄道車両メーカー、アンサルドブレダを買収。鉄道信号大手のアンサルドSTSも連結子会社に加えた。日立の鉄道事業の売上収益は5803億円(2019年度)。海外比率は79%に達する。

 梅原さんは「日立は鉄道用の信号機や保安設備の輸出も行っており、インドのデリーやトルコの地下鉄で採用されています。日立は欧州の基盤が弱かったのですが、イタリアのアンサルドブレダ買収を足掛かりに、スペインの工場でも車両を製造しています」と語る。

 日立のグループ会社「Hitachi Rail STS(日立レールSTS)アメリカ」は、米国カリフォルニア州にあるサンフランシスコ・ベイエリア高速鉄道公社の列車制御システム更新事業を7億9800万ドル(約830億円)で受注。2029年の完成を予定している。

 駅に設置したセンサーで乗客数を分析し、増減に応じて運行本数を自動で決めるシステムも開発。デンマークのコペンハーゲンメトロで行われている実証実験では、最適なタイムテーブル(時刻表)を自動的に生成し乗客の需要に応じた自動運転の実現を目指すなど新技術事業にも挑んでいる。

 

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