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(PR)理事長は1台のタブレットの稟議を却下 その真意は? 社会福祉法人欣彰会(埼玉県)

 社会福祉法人欣彰会では、職員の業務負担軽減のために導入した介護記録・介護請求システムがうまく稼働していなかった。4施設に25ある事業所がバラバラに進めているため、情報共有もできていない。

 そんな状況を打破するために、2017年、4施設25事業所を横断で使えるシステムに改良し職員の負担軽減と情報共有による効率化、一本化のため、山下和彦部長と藤永美砂子主任に白羽の矢が立った。同年できた法人本部の企画・事業部にいる山下部長は、それまで24年間ずっと現場職。藤永主任は、人事・教育部。二人ともシステム畑ではない。

「これからの介護事業にはタブレットの活用が必須ということで、1台購入してみようと考え、理事長に稟議を出したんです」と、藤永主任が振り返る。役に立つとは思ったが、どう使うかまでは深く考えず、「とりあえず使ってみよう」という感覚だったという。

 すると、稟議を出した2人に漆原彰 理事長はこう返事をした。

「何のために使うのか、使うことで施設がどうよくなるのか。どんなことが魅力なのか? そこをしっかり議論し、『これだ!』と確信したうえで提案してください」

 この理事長の一言から欣彰会のデジタル革命が始まった、と言っても過言ではない。

 欣彰会は、医療との連携を追求した高齢者福祉事業を全国に先駆けて展開したことで知られる。

 漆原理事長は、学生時代にこれからの高齢社会を見据え、まわりに関心を持つ人がいない中、高齢者医療に取り組んできた。地域の高齢者のための医療機関を作る決心をし、1981年に高齢者医療を目的とした大宮共立病院を設立。1984年には介護を目的とした社会福祉法人欣彰会を設立、病院を中心とした各種施設による医療、介護、福祉の複合施設をつくり、地域サポートに尽力してきた。

 理事長は、他の誰よりも、入居者や利用者をきめ細かくサポートできる共通情報インフラの必要性を感じていた。そして、医療と介護の垣根を越えた情報連携を描いていた。

 山下部長と藤永主任は、理事長の一言に、ICT化の期待の大きさを感じ、最初が肝心である事を心に刻んだ。

二人の戦いは始まった

 山下部長は「介護職の現場を24年間経験する中で、同じ業務をいろいろな施設でバラバラにやっていたことにずっと不満とストレスを感じていました。もう少し簡略化できないかと、施設の上司によく提案していたんです。でも、なかなかぴったりしたシステムに出会うことがなくて…。それが今回、本部が出来て異動になり、欣彰会全体でのシステム選定の仕事に関わることになりました」と語る。介護の現場からICT導入の必要性を働きかけていた。

 一方、人事を担当してきた藤永主任も「職員が働く環境を大切したい。施設の魅力を高め、採用につなげたい」との思いから、業務の効率化に役立つICTの活用に強い関心を持っていた。

 元々は、介護現場担当と人事・教育担当という畑違いの2人だったが、選定にあたっての決意は一致していた。

「埃をかぶるようなシステムには絶対にしない」

「現場が主役」 妥協をゆるさない姿勢

 欣彰会では、介護記録・介護請求システムの記録に大きなこだわりを持っていた。

 介護請求のためだけでなく、入所者やサービス利用者のきめ細かなフォローを行うための大切な情報の塊だった。

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(提供 株式会社リコージャパン)

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