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(PR)シームレスな生産現場が「武器」 3D-CADが成長の原動力 ニッシン(埼玉県)

 株式会社ニッシンの手塚文紀社長は2008年に義理の父から社長を引き継いだ。就任直後、リーマンショックの激しい逆風が吹き荒れ、会社の業績は下降線をたどった。その年の営業利益は赤字を防ぐのがやっとだった。

「8月に社長に就任して、翌月にはリーマンショック。製造業に影響が出たのはその年の12月くらいだったでしょうか。社長に就任したとたん一番のどん底でした。みんなからは『これから先は上がるだけだから』なんて慰められましたよ」と笑う。

 ニッシンは1969年の創業以来、板金加工から塗装、組み立てまでシームレスな生産体制を強みに事業を展開。大手メーカーなどから受注を受け、コピー機のサプライテーブルや歯科医院向けの殺菌キャビネットなどを生産する。

 埼玉県飯能市の本社工場は、3D-CAD(3次元コンピュータ設計支援システム)をはじめとする最先端の設計体制から板金、塗装、組み立てまで全く異なる生産ラインがきれいに整備され、工場内を一周するように違和感なくつながっている。社内の別々の生産拠点ごとに部品を移送する「横持ち」が発生せず、品質の高い製品を低コストで供給している。

「納品した製品に傷などの不具合があった場合、複数の企業を介すると、どこで不具合が出たのか突き止めることが難しいことがあります。しかし、シームレスな生産体制で最後まで責任をもって対応ができます。その点も当社のアピールポイントの一つといえますね」と手塚社長は胸を張る。

製造現場と取引先を結びつけた3D-CAD

 縁あってニッシンに入社した手塚社長。それまで勤めていた農業機械メーカーでのサラリーマン生活は一変した。「決算書は読めないし、資金繰りとか減価償却って何? というところからスタートでした。まあ、こういったものはあまり時間をかけずに理解できますが、ものづくりは根本が分からないとできない面があります」と手塚社長。それでも、「工場の機械のにおいが大好き」ということもあり、自身では意外とスムーズに新たな環境に入って行ったという。

 リーマンショックからの回復・成長には、サラリーマン時代に経験が多いに役立った。それが3D-CADの導入だ。

 もともと大学時代は機械科で設計を学び、農業機械の会社でも設計の仕事を担当し、3D-CADを操作しており、その有効性をよく認識していた。今でこそ3D-CADは一般的になったが、当時はまだ出始めのころ。板金業界でも先進的な取り組みだった。

 3D-CADは、平面に書かれた設計図面を3次元の空間に立体的な形状に描き出すシステムだ。平面の設計図を立体的に描き出すため完成品をイメージしやすいメリットがある。製品が設計通りに機能するかどうかといった検証もしやすくなり、顧客へのプレゼンテーション力も飛躍的に増す。

「大手の取引先でも3次元を使っているところが多く、導入によってやりとりがスムーズにできました。3次元のデータをもらうことで、試作のスピードも上がりました。また、取引先から受け取ったデータを検証しながら当方からもっと低コストになる設計を提案することもあります。提案を受け入れてもらうこともよくあります」と手塚社長。取引先との信頼関係の構築や受注拡大に大きな効果を上げた。リーマンショックから10年あまりが過ぎ、ニッシンの2019年度の売上高はリーマンショック時の約2倍にまで成長した。3D-CADをはじめとするICTの活用が大きな原動力となった。

先を見据えた環境経営が新たな危機の楯になる

 ニッシンのもう一つの大きな特徴は、環境経営に熱心に取り組んでいることだ。

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(提供 株式会社リコージャパン)

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