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EV増加で雇用30万人減か 部品メーカー、新事業創出へ開発加速

 自動車がガソリン車から部品数の少ない電気自動車(EV)に切り替わることで、国内の部品メーカーの雇用が大きく減少する恐れがあることが明らかになった。現在300万人程度とされる関連雇用が30万人減るとの試算もあり、メーカー各社は新たな事業創出に向け研究開発を加速。地方自治体も雇用を維持するための支援を模索している。

 EVはモーターでタイヤを駆動して走るため、エンジンなどに関係する部品が不要となり、部品数はガソリン車の3万点から2万点程度に減るとされる。アーサー・ディ・リトル・ジャパンの経営コンサルタント、祖父江謙介氏は、自動車部品に関連する雇用は国内で300万人程度とした上で、EV化で1割の約30万人の雇用減少につながる恐れがあると指摘する。

 一方でバッテリーや駆動用モーターなどEV化で新たに必要となる部品もあり、各社はその開発に力を入れる。

 トランスミッションメーカー、ジヤトコ(静岡県富士市)の現在の主力商品はエンジン車向け無段変速機(CVT)だ。「エンジン車があっという間になくなることはない」(中塚晃章社長)としつつ、「イーアクスル」と呼ばれるEVの高速性能を高める新製品の開発を進めている。

 トヨタ自動車系の部品メーカー、デンソーは昨年、電動化に関連する研究開発などを行う「電動開発センター」を愛知県内に新設した。

 地方自治体でも中小企業のEV化対応を支援する動きが出ている。静岡県や浜松市でつくる浜松地域イノベーション推進機構が2018年に立ち上げた「次世代自動車センター浜松」は、大学や完成車メーカーなどと連携し、中小企業にEVなどの次世代技術を提供している。担当者は「準備は1年や2年では間に合わない。会員企業が脱ガソリン車に対応できるよう支援したい」と話す。

 祖父江氏は「海外メーカーはEV開発に経営資源を集中している。日本メーカーが負ければ海外で日本車が売れなくなり、今回試算した以上の雇用減が起こる」と警鐘を鳴らしている。

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