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雇用3000人…地場企業守れ 日鉄・呉高炉休止まで半年、活路求め模索

 地域を照らし続けた「鉄の灯」が消える。鉄鋼国内最大手の日本製鉄は、広島県呉市の旧呉製鉄所(現瀬戸内製鉄所呉地区)の高炉2基を9月に休止する。労働者は関連企業を含め約3000人。取引先を失う地場企業への打撃も深刻だ。巨大産業の撤退を前に、動揺する企業や行政。活路を求め模索を続けている。

 日鉄は昨年2月、2023年9月末をめどに呉製鉄所を閉鎖、22年9月をめどに和歌山製鉄所(和歌山市)の高炉1基を休止すると発表した。茨城県鹿嶋市にある高炉1基の休止検討も明らかになっている。

 呉製鉄所は、戦艦大和を建造した呉海軍工廠跡に、戦後1951年に建設された。下請けなど関連会社や、飲食店、宿泊施設なども発展。地域に恩恵をもたらした。

 行政は対策に乗り出している。呉市は助成制度を新設。新規事業に取り組む企業に、最大1000万円を補助する。広島県も設備投資を後押しする最大1億円の助成策を用意した。

 補助金を元手に新規事業を始める協力会社の久本慎社長(76)は「今後、売り上げの3分の1を失う。新規事業を3年で軌道に乗せ、穴埋めにしたい」と話す。

 半年後に迫る高炉休止は、雇用にも大きな影響を及ぼす。ハローワーク呉は半数に当たる1500人が職を失うと推定。市と広島労働局が2月13、14日、市役所で再就職説明会を開催し、延べ約150人が参加した。ハローワーク呉の田辺克也所長は「求人企業の参加が多く、採用意欲を感じる」と希望を語った。

 日鉄は自社従業員については配置転換で雇用を維持する方針だが、地元に残りたい従業員も多い。説明会に先立ちあいさつした新原芳明市長は「不安な日々をお過ごしだと思う。今後も日鉄執行部には配慮を強くお願いしていく」と述べた。

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