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「あのケーキがなければ…」閉店危機の店を救った“芸能人御用達”スイーツ (3/4ページ)

「特製お取り寄せセット」2時間で完売

 勤務先や経営する店の所在地が変わっても、山口さんのSNSは変わらない。それが、オープン間もない五反田の創作フランス料理店でも役立ったというわけだ。

 黒毛和牛のローストビーフや「シャルキュトリー」と呼ばれる肉の加工品、総菜などを詰め合わせた特製お取り寄せセット。パスタソースなどが真空パックに入れられており、湯煎(ゆせん)したり、フライパンで簡単な調理をしたりするだけで、家庭で本格的なフレンチやイタリアンを味わえるという趣向だ。「完全再現とまではいきませんが、外食の気分は味わえます」と山口さんは胸を張る。

 だが、そんな自慢の商品がSNSで告知されていた期間は、昨年12月のほんの一瞬だった。「店舗のLINEに登録している人には、LINEで告知しました。告知中はSNSでメニューを見られるようにしていましたが、100個完売と同時にメニューを削除しました」。完売までにわずか2時間。つまり、セットのメニューを見ることができたのは、相当限られた人だったということになる。

 それでも、購入したのはこれまで山口さんの料理に魅せられた常連客だけでなく、半数は新規の客だった。「SNSは効果がすぐに出るわけではありません。魔法のような技はないので、コツコツと投稿を続けることが大切だと思っています」と山口さん。コロナ禍の逆境の中でも、売り上げは堅調に推移しており、今後も月に一度、テイクアウトメニューの発送を考えているという。

 これまで地道に更新を継続してきたからこそ、そのSNSが店の窮地を救ったのかもしれない。

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