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欧米企業がワクチン接種で有給や現金支給制度 社員の接種促進、脱在宅思惑も

 欧米企業の間に、従業員の新型コロナウイルスワクチンの接種促進に向け、時間単位の有給休暇や現金支給を行う制度を導入するなどの取り組みが広がっている。感染拡大防止だけでなく従業員のオフィス復帰を早めたいとの思惑もある。

 米小売業ではリドルが接種を受ける従業員に200ドル(約2万1800円)を支給し、米国版100円ショップ・チェーン大手ダラー・ゼネラルなどは賃金の上乗せをしている。フランスのヨーグルトメーカー、ダノンは最大6時間の時間単位有給休暇を付与し、ワクチンが無料でない国では費用を負担する方針だ。米ユナイテッド航空は接種を義務化したい考えだが、労組から懸念が示されている。

 欧米企業の経営トップの多くは自らを260万人余りの命を奪った新型コロナの「パンデミック(世界的大流行)と闘うリーダー」と位置付け、米国やフランス、ロシアなどで根強いワクチン接種への否定的な雰囲気に対処する姿勢を示す。より実利的な動機もある。1年ほど続いた在宅勤務は企業文化を損ね、“オンライン会議疲れ”など新たな状況を生んでおり、ワクチン普及が従業員のオフィス復帰を促すということだ。

 JPモルガン・チェースのダイモン最高経営責任者(CEO)はブルームバーグ・テレビとのインタビーで「われわれがやりたいと考えているのは、アメとムチだと思う。人々にそれを理解してもらいたい。法的懸念があるため現時点で義務化の意向はないが、航空業界やホテル業界などではそうした動きがあるかもしれない」と語った。

 企業による顧客と従業員へのワクチン接種義務化が合法か否かは国によって異なる。米国の多くの州では、雇用する側は法的理由で任意に従業員の解雇が可能で、ワクチン接種義務化に従わないケースも対象になる可能性がある。雇用・労働法に特化した法律事務所リットラー・メンデルソンの調査によると、現時点で全従業員にワクチン接種を義務化している企業は米国で1%未満だ。

 自ら手本となる姿勢のCEOもいる。スイスの食品大手ネスレのシュナイダーCEOはインタビューで「ワクチン接種の機会が来れば従業員の前で接種を受けて見せる。従業員自身や同僚を守る上で想定し得る最善の方法だ」と述べた。

 ゴールドマン・サックスのソロモンCEOは先月の会議で「在宅勤務は例外的な状況であり、できる限り速やかに修正する」と語った。(ブルームバーグ Thomas Buckley)(日本では「河野担当相、ワクチン休暇「現役世代の接種の前に詰める」」動きも

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