金融

香港金融、厳格隔離に懸念 オフィス閉鎖や配転で人材流出の恐れ

 香港の金融業界で地元当局の厳格な新型コロナウイルス対策への懸念が強まっている。集団感染の発生を受けて複数の企業がオフィス閉鎖を強いられ、一部従業員とその子供は政府の隔離施設に収容されている。

 香港に拠点を置くある外資系投資銀行の幹部は、地元当局による現行の隔離政策が長期的に実施される場合、他の金融センターに一部トレーダーの配置換えを検討する必要があると話した。また、別の世界的金融機関の幹部らは、ワクチン接種加速で他の都市が規制緩和に踏み出す中で香港のルールが維持されれば、グローバル人材の確保に苦労すると懸念している。

 事情に詳しい複数の関係者の話では、国際的な成功事例に従って新型コロナ対策の明確なロードマップを提示するよう香港政府に求める書簡の草案が、金融機関などの業界団体に配布されている。当局は19日に国際商業会議所や業界団体との会合を開き、新型コロナ関連の最新情報を提示すると別の関係者は話した。政治的に敏感な問題であるとして関係者らは匿名を条件に話した。

 在香港米国商業会議所のタラ・ジョセフ会頭はブルームバーグの取材に対し、「米国のビジネス界にとって、隔離は大きなフラストレーションだ。政府が安全と認識した際には手続きを変更するよう希望する」と電子メールで回答した。

 問題となっているのは、世界屈指の厳しい隔離ルール。香港では、陽性者との濃厚接触者は幼い子供を含め、たとえ陰性でも最長2週間にわたり集中監視施設で過ごさなくてはならない。

 ホテル内の隔離施設も一部にあるが、他の専用施設は小さな部屋に必要最低限の家具しか置かれていない。リモート勤務をサポートするWi-Fi接続が利用できない施設もある。

 香港の隔離措置は昨年から実施されているが、地元のスポーツジムに関連した集団感染が金融関係者やインターナショナルスクールの職員に広がったことを受け、銀行界からここにきて厳しい目を向けられている。また、香港の自由が中国政府によって抑圧される中、金融センターとしての香港の地位にも不確実性が高まっている。(ブルームバーグ Cathy Chan、Bei Hu)

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