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緊急事態宣言1年 最大規模の減収受けた交通業界、本業以外で収益改善へ

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う初の緊急事態宣言の発令から7日で1年が経過した。日本企業の中でも特に影響が大きかった交通各社は移動の自粛で過去最大規模の減収に見舞われており、本業以外で収益を稼ぐ構造改革を余儀なくされている。

 「コロナとの闘いの状況はまだ先が見えないが、ワクチンができるだけ早く接種されて、収束に向かうことを強く願っております」。JR東日本の深沢祐二社長は6日の記者会見でこう語った。JR東の2020年度の鉄道営業収入は、19年度比でほぼ半減とJR発足以来最大の減収を記録した。しかし、深沢氏は21年度は黒字化させる考えを明言した上で「1900億円ほどのコストダウンを20年度にやったが、さらなるコストダウンに取り組む」と話した。

 JR北海道やJR四国も半減の見込みを発表したほか、7日に20年度の窓口収入を発表したJR西日本やJR九州は50%を割り込んだ。一方、JR東海は約7割減の見通しと、JR各社の中で減収幅の大きさが際立っている。長距離旅行や企業の出張が特に自粛の対象となったため、新幹線収入が大半を占めるJR東海の影響が最も大きくなったとみられる。

 こうした状況の中、JR各社は非鉄道事業の収入割合を増やす方針を強調し始めている。特にJR東は「運輸サービスとそれ以外の生活関連やITサービスの収入割合を5対5に」する方針を掲げるなど本格的に多角化を進める考えを示しているほか、JR北海道や西、九州も不動産の再開発などを強化する考えだ。

 経営環境の厳しさは航空大手も同様で、全日本空輸や日本航空は大幅減便を余儀なくされた結果、国内線の20年度の旅客数は前年度比7割減となる見通し。そのため、両社はマイルの会員情報というデータ資産を活用した新サービスなどで航空事業一本足からの脱却を図るほか、減便に伴う余剰人員の出向を増やすなどのコスト削減も進め、コロナ禍を乗り切る構えだ。(大坪玲央)

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