サービス

緊急事態宣言1年 観光業は新たな旅行様式提案

 観光業界でも客足が遠のくなど大きな影響を受けた。一方、新型コロナ禍の危機を商機と捉えて新たな観光需要を模索する動きもあった。

 昨年春、星野リゾートは沖縄県などで予定していた複数の宿泊施設の開業日程を延期した。東京都や北海道などで展開していた宿泊施設では休館を余儀なくされた。

 同社は昨年4月ごろ、新型コロナの治療薬やワクチンの開発や普及が進む時期を1年半先と仮定し、「18カ月のサバイバル計画」と題した経営方針を社内で打ち出した。運営する宿泊施設での「3密」回避や消毒、清掃、換気などの感染対策を強化しながら、新たな旅行需要の獲得を模索。近場を旅する「マイクロツーリズム」など新たな旅行様式を提案した。また現場の社員からの発案を元に、これまでになかった観光商品の開発にも力を入れた。イベント開催中止が各地で相次ぐ中、地域の桃農園やタクシー会社などの異業種と協力し、3密を回避した花見プランなどを提案している。

 同社の担当者は「国内で新型コロナのワクチン接種が進み、マイクロツーリズムから徐々に遠方への旅行に移行するタイミングが来るはずだ」と前を向く。

 観光庁は今年4月、全国の都道府県のうち、感染状況がステージ2(感染漸増)以下の自治体を対象に補助金を交付する地域観光事業支援を打ち出した。3月31日と4月2日にはオンライン説明会が開かれ、47都道府県の担当者が参加した。ただ、新型コロナ感染拡大対策の「蔓延(まんえん)防止等重点措置」が適用された地域もあり、正式に交付が決まった自治体はまだないという。

 観光庁の担当者は「感染状況に地域差はあるが、高い関心を持っていただいている」と話した。(岡田美月)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus