金融

第一生命HD、営業職員の定着へ新制度

 第一生命ホールディングス(HD)の稲垣精二社長は9日までに産経新聞のインタビューに応じ、顧客向けのサービス向上に向け、営業職員の定着を促す制度を導入したことを明らかにした。採用人数の数値目標を撤廃し、営業職員として適性がある人材を厳選して採用。処遇に関する制度も見直して、業界共通の課題である営業職員の大量離職を防ぎ、顧客との関係を強化する。同社では営業職員が顧客から金銭を詐取する不祥事が相次いだことも踏まえ、優秀な人材が長期間活躍できるよう踏み込む。

 今年度から採用人数の数値目標撤廃のほか、毎月行っていた採用活動を3カ月に1度に減らした。人数確保のための無理な採用をやめ、営業職員としての適性を見極めた採用と育成に力を入れる。給与体系の見直しも検討しており、令和4年度以降、新人層は営業成績による変動部分を減らす方向だ。

 稲垣社長は「担当が変わってお客さまが不安に感じることがないようにする」と説明した。従来は入社から3年目終了時に約半分が退職していたという。

 一方、第一生命HDは脱炭素に向けた取り組みも加速する。資産運用面では、7年までに株式と債券の投資先の温室効果ガス排出量を元年比で25%削減することを目指す。稲垣社長は「投資先企業の脱炭素の取り組みを(機関投資家としての)対話活動で後押ししたい」と語った。

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