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コロナ禍でボートレースが好況の理由は 尚美学園大学教授・佐野慎輔 (2/2ページ)

 ◆イメージ払拭に注力

 ボートレースも他の公営ギャンブルと同様、コロナ禍での巣ごもり需要の好影響を受けるが実はそれだけではない。10年越しの取り組みの結実である。

 10年前の2010年の売り上げは8400億円と低迷していた。危機感を持ったボートレース界は「おっさんのギャンブル」というイメージの払拭から着手。若年層やファミリー層に浸透するべく、「競艇」から「ボートレース」に表記を変更した。

 旬のタレントを使ったテレビCMを積極的に放映し、レース場を大幅にリニューアルした。女性や子供たちが安心して立ち寄れるようトイレの改革など、全国のレース場を美しく作り替えた。そして他に先駆けた電話・インターネット投票の導入である。いつでも、どこでも投票できる仕組みはファン層を拡大した。平日も開催している強みに加え、早朝やナイターレースも実施。選手の人気投票は活気をもたらし、開催レース場地元への貢献は底辺を拡大していった。

 振興会、競走会に選手会の意識の共有に加え、施行者である地方自治体と一体となった取り組みこそ現在の好況の要因である。逆境のときは何をすればいいのか。10年先を見据えたボートレースの取り組みは、コロナ禍での対応を教えてくれる。

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【プロフィル】佐野慎輔

 さの・しんすけ 1954年富山県高岡市生まれ。早大卒。サンケイスポーツ代表、産経新聞編集局次長兼運動部長などを経て産経新聞客員論説委員。笹川スポーツ財団理事・上席特別研究員、日本オリンピックアカデミー理事、早大非常勤講師などを務める。専門はスポーツメディア論、スポーツ政策とスポーツ史。共著には『これからのスポーツガバナンス』(創文企画)、『スポーツフロンティアからのメッセージ』(大修館書店)など多数。

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