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「なぜK-POPは世界的ヒットを連発できるのか」韓流アイドルが熱狂を生む5つの理由 (3/3ページ)

 年末に起こった地殻変動

 2020年末に公営放送MBCで放送された「2020歌謡大祭典」では、ニューメディアの影響力の大きさを示す象徴的な出来事が起こった。

 年末の歌謡祭といえば、その年に活躍したアイドルが一堂に会する韓国最高峰の歌謡祭祭だ。しかしその年はHYBEレーベル所属のアーティストが出演しなかった。

 BTS、SEVENTEEN、NU'ESTといったグループは、同日開かれたHYBEレーベルの合同コンサート「2021YEAR'S EVE LIVE」に出演した。そのパフォーマンスは自社オウンドプラットフォーム「Weverse」で配信されたのだった。

 コロナの影響でオンラインライブが余儀なくされた2020年において、アイドルファンはYouTubeやV LIVE、そしてWeverseのようなプラットフォームでコンサートを視聴する機会が増えた。その結果、芸能事務所は、テレビ局を介さず制作から放送まで全ての権利を所有できるオウンドプラットフォームを重視するようになった。

 音楽番組に出演することが認知度を高める唯一の方法であった時代から、SNSをはじめオウンドメディアのみで直接的にグローバルファンにアクセスすることができるようになった現状への移り変わりを示しているようだ。

 実際Weverseは昨年までの間に、世界233の国と地域のユーザーが参加しており、各アーティストのコミュニティの累積加入者は約1920万人。2020年一年間のアーティストとファンが作成した投稿は、のべ1億1700万件にのぼるという。

 K-POPがコロナ禍で存在感を強める必然性

 2021年1月には、NAVERが所有するK-POP最大の動画配信プラットフォームV LIVEとHYBEのコミュニティプラットフォーム「Weverse」が統合するニュースが飛び込んできた。

 この2つのプラットフォームは1年かけて、ライブストリーミング、コミュニティプラットフォーム分野で連携し、今後国内のK-POPアイドルだけではなく海外アーティストまでもと範囲を拡大していく予定だという。

 IT企業と芸能事務所がタッグを組み、テレビメディアを介さず自社プラットフォームで全てを完結させていくという形は今後のスタンダードになっていくのかもしれない。

 コロナ禍で国外への自由な行き来が難しくなった今、K-POPは家でインターネットを開くだけでアクセスできるフリーな環境整備ができていたからこそ、グローバルファンの火力を弱めるどころか、世界での存在感を強めてきたように感じる。

 その発信方法は現在もすさまじいスピードで変化しており、ファンならずともそのビジネスモデルには一見の価値があるように感じる。

 (田中 絵里菜)(PRESIDENT Online)

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