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ホワイト勤務は当然 ぎょうざの満洲「飲食業でも1日8時間で週休2日」の理由 (1/3ページ)

 埼玉県を中心に直営100店舗を展開する中華料理チェーン「ぎょうざの満洲」は、飲食業では珍しく、社員は「1日8時間勤務、週休2日」となっている。なぜ長時間勤務をせずとも店舗を運営できるのか。そこにはさまざまな「効率化」の工夫がある--。※本稿は、辰井裕紀『強くてうまい!ローカル飲食チェーン』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

 埼玉の駅前にいる“守り神”

 埼玉県民には守り神がいる。ロードサイドを守るのが「山田うどん」ならば、駅前の守護神が「ぎょうざの満洲」だ。

 埼玉県内の駅近くなら、いたるところに存在する中華料理チェーン。最近では東京の西部にも進出している。

 家賃の上限は1坪2万円。既存店の売上高が前年を下回ったら、翌年は出店を抑える。そんな堅実な経営をモットーとして、直営100店舗にまで勢力を伸ばしてきた。

 東日本大震災後はリスク分散の観点から関西にも進出し始めているものの、いまだ埼玉を中心としたローカルチェーンの性格が強く、「3割うまい!!?」などと、謎のキャッチフレーズをつぶやくポップなキャラクターが出迎えてくれる。

 全面ガラス張りで飾り気がなく、誰を拒むこともない店構え。店内の雰囲気も、たとえジャージ姿でも浮かない包容力を醸し出す。オトコ臭さは薄く、女性ひとりでも気兼ねなく入れる。だから女性客をよく目にするし、男女の来店数が半々くらいの店舗もある。

 うれしいのが、忙しそうな店員さんを呼ばずとも、全席タッチパネルで注文できる手軽さだ。全席に水のピッチャーも置いてあるので、「水ください~!」と声を張らなくてもいい。

 調理場は丸見えなので、店側はおのずとクリーンな状態をキープするし、接客係がどこにいてもお客さんが見えるように、店内の要所に鏡がある。

 餃子、チャーハン、ラーメンのビッグスリー

 「ぎょうざの満洲」の屋号通り、看板メニューはなんといっても焼餃子(6個250円)だ。

 まず箸で持ったときにズッシリ重量感がある。皮が厚めでピチピチ、なめらかな舌触り。噛むたびに気持ちいいし、中のうま味が染み出す。

 あっさり、すんなり食べられるのが満洲ラーメン(470円)だ。サラッとした味付けながら風味あるスープで、加水率が約50%と高いつるつるの麺。たっぷりのメンマは味が濃く、アクセントとしていぶし銀の働き。川の流れのように食べやすい一杯だ。この満洲ラーメンと焼餃子6個のセットが「700円」と手ごろである。

 チャーハンは、スープと漬物付きで500円。このチャーハン、じつは玄米と白米が5:5で入っている。

 ぎょうざの満洲で扱う「金芽ロウカット玄米」は、表面の硬いロウ層を均等に取り除き、玄米の栄養分と、白米に近い食感を最大公約数的に両立する。

 さらに、玄米の質感を活かせる「チャーハン」にすることで、白米と玄米のつなぎめがわからないほど一体に溶け込む。白米よりカロリーが30%抑えられ、社長いわく「白米より玄米は味が濃いので、塩分が抑えられる」という。

 ハーフサイズメニューは100円以下

 このぎょうざの満洲、何かと大衆客をわかっているアイテムが多い。

 たとえばメンマ・ザーサイ・キムチ・冷奴の4つをおつまみメニューとして160円で出しているが、さらにハーフサイズを90円で提供しており、「ちょっとつまみたいニーズ」をがっちりキャッチする。餃子の王将のジャストサイズメニューですら300円台が多いから、つまみを100円を切る価格で買えるのは大きい。

 「冷奴にキムチをのせる」など、ハーフサイズメニューをアレンジして楽しむ客もおり、庶民のささやかな幸せを具現化する。

 筆者は中華料理チェーンで「餃子+ごはん」を注文し、勝手激安セットとして食べることも多いのだが、ぎょうざの満洲では、公式にその組み合わせが存在して大っぴらに頼める。しかもスープとザーサイ付きで450円と、ささやかにおなかを満たせるのだ。

 それらをのせたお皿たちには、「3割うまい!!」の謎のキャッチフレーズを発するマスコット、ランちゃんがいる。

 この女の子のモデルこそ、ぎょうざの満洲の現社長・池野谷ひろみ氏だ。父譲りのシステム化推進で、満洲の業績をさらに浮揚させた立役者である。ランちゃんスマイルの池野谷社長にまず、人気メニューを聞こう。

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