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飲食店の予約ドタキャン防止に? いま「クーポンサイト」が再び注目されるワケ (1/2ページ)

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部

 予約客が連絡もなしに無断でキャンセルする。約束の日時になっても姿を現さないことから、飲食や旅行業界では「No Show(ノーショー)」と呼ばれている。準備した食材や人件費が無駄になってしまうため、店側にとっては死活問題。その無断キャンセル対策として共同購入型クーポンサイトへの出店が相次いでいるという。世間を騒がせた「スカスカおせち」問題を機に衰退したクーポンサイトが今なぜ、再び注目されているのか。

イメージは航空券の「早割」

 「予約数に合わせてスタッフの数を調整できるので助かった」と共同購入型クーポンサイトのメリットを話すのは、しゃぶしゃぶ・すき焼き専門店「しゃぶ禅」渋谷店(東京都渋谷区)の青木俊二店長。クーポンサイトでチケットを購入している客はキャンセルすることが少ないため、あらかじめスタッフを効率的に配置できるという。

 共同購入型クーポンサイトでは、居酒屋の飲み放題コースやホテルでの宿泊など、多様な商品・サービスを期間限定の割引クーポンとして販売。購入者はクレジットカードなどでクーポン代金を先払いし、提供を受ける仕組みだ。店側にとっても、売り上げアップや宣伝効果などが期待できることから一気に普及した。

 ただ、共同購入型クーポンサイトには暗い過去がある。大手サイトの「グルーポン」で2010年に販売されたお節料理が「見本と違う」として苦情が殺到した「スカスカおせち」問題だ。クーポンサイトからの消費者離れを加速させ、その見た目から「ゴミおせち」とも呼ばれたあの騒動である。

 さらに、リピーターにつながらない「クーポンハンター」と言われる客の来店が増えたことで、店舗側のサイト離れも進んだ。大幅な値引きクーポンを発行しても1回しか来店されないのであれば、店舗側のメリットは薄い。こうして一時は100以上あったサイトも今では数えるほどに。一世を風靡(ふうび)した往時の面影はない。

 そのクーポンサイトが無断キャンセル対策として注目を浴びる契機となったのが、「事前購入型」と呼ばれる決済方法の採用だ。客が来店する前にチケット代金が飲食店に入金される仕組みで、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が全面解除され、ようやく光が差し込みつつある飲食業界や旅行業界で歓迎されている。

 この仕組みを導入したのは、大手クーポンサイトの「LUXA」。共同購入型クーポンサイトが次々と業態変更や撤退を余儀なくされるなか、令和まで残った数少ない大手サイトだ。LUXAを運営するau コマース&ライフが今年1月から総合ショッピングサイト「au PAY マーケット」として体験型サービスの提供を開始。「事前購入型決済サービス」を取り入れ、飲食店約1360店舗のほか、ホテルや旅館約200店施設、サロンなどの美容店約1430店舗でも利用されている。

 無断キャンセルは債務不履行や不法行為に該当し、店側は客に対して損害賠償を請求できる。このため無断キャンセル被害を保証するサービスや弁護士が回収を代行するサービスも登場しているほどだ。だが、無断キャンセルそのものをなくせるなら、それに越したことはない。コロナ禍の経営難で手元の資金が不足している飲食店にとっては特にそうだろう。東京・銀座の高級ステーキ店「神戸牛炭火焼ステーキ 銀座 煌(ファン)」の代表、黄金井崇さんは、共同購入型クーポンサイトの事前決済について「無断キャンセルリスクが下がり、とても助かっている」と強調する。

 来年2月にLUXAのサービスを引き継ぐ大手通販サイト「au PAY マーケット」を運営するauコマース&ライフのライフスタイル事業部副事業部長、藤本公浩さん(36)は「飲食店では主に1~5割引きでチケットを販売しています。キャンセルされるリスクが低く、早く空席を埋めることができるため、未来の空席を埋めることができる店側も安く設定できます。航空券の『早割』チケットに近いイメージです」と話す。キャンセル率が低いことで店側にとっては食材のコントロールもしやすく、食品ロスの削減にもつながっているという。

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