2010.2.2 05:00
□ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)代表取締役兼CEO・森辺一樹
米国に端を発した世界的な金融危機の衝撃からはや1年数カ月が経過した。しかし、日本経済はいまだ先の見えない航海を強いられている。今回の金融危機で明らかになったことは、金融危機の後遺症が治癒するだけでは、本格的な景気回復にむすびつかないということだ。日本が抱える問題は、少子高齢化による内需の縮小だ。一方で、中国を中心としたアジアマーケットは拡大の一途をたどっており、次の半世紀、世界で最も成長するのは中国とインドと考えて間違いないだろう。
注目されているBRICs(ブリックス=ブラジル、ロシア、インド、中国)はこの4カ国だけで世界の全人口の約4割を占める。ブリックスの経済的離陸は、貧困層の減少と中間層の拡大にあるということ。貧困層の減少とは、つまり成長である。貧困層が中間層へと移行することで比較的豊かな層が拡大する。自動車や家電の購入が見込めるいわゆるボリュームゾーンが形成されていく。
国内市場が伸び悩む中で、日本の大企業は新興国市場へ着々と軸足を移しつつある。食品や日用品、製薬といった企業の中には、今後3年以内に海外売上高を現在よりも4割増やす計画を立てている。中小企業もグローバル展開しなければこうした潮流に対応することができず、日本経済はさらに二極化傾向が強まりかねない。
そこで重要なのが、中小企業がいかにして新興国市場を開拓するかである。日本のものづくりを支える中小企業は優れた技術を持ちながら、国内市場が縮小する中で、過剰供給と安値競争のまっただ中にいる。
今後は外需と内需を区別する二分法の発想ではなく、日本のあらゆる企業が業種や規模を超えてグローバル展開することで新興国の活力を取り込み、それがまた国内の消費拡大につながるという好循環サイクルの構築を目指すべきだろう。
中小企業の中にもビジネス拡大を狙って中国へ進出するケースが多いが、撤退するケースも実は多い。中小製造業では、中国市場の特徴を学ばずに、親会社や取引先の大企業とともに進出してしまった事例も多い。親会社任せにせずに、自社の持つ技術、商品を展開するうえでは、中国でも競争力を維持できるのを見通したうえで進出戦略を立てることが重要だ。経営基盤が脆弱(ぜいじゃく)な中小企業の場合、安易な中国進出が命取りになるリスクを抱えていることを認識する必要があるだろう。
コスト面では現地企業の方が競争力が高い。いくら日系企業とはいえ、競争力を高めるために親会社は現地企業から部品や資材を調達する傾向は強まっており、安定的な受注が望めない可能性もある。
サービス業においては、当初から中国内需を狙わなければならず、綿密な市場調査が必要だ。現地のパートナー企業を見つけるのも市場開拓の重要なカギになる。
一体、何のために中国へ進出したのか。そうならないためには中国の内需に対応できるビジネスモデルを構築する必要がある。
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成長市場中国でビジネスチャンスをつかむには何が必要か。そのポイントを探る。
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ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)
中国、インド、東南アジアを中心とした新興国市場のリサーチとマーケティングに特化している。
ホームページはhttp://www.sdigrp.com/