【就活学生、必見!】(14)鉄人経営者が率いるネジの総合商社「コノエ」

2010.7.25 07:00

 還暦を過ぎてマラソンにチャレンジし、ホノルルマラソン初参加から完走。以降、82歳の今日まで21回の連続出場を更新するのは、鉄人経営者として知られるネジの総合商社コノエの河野榮会長である。

 コノエは今年、創業58年を迎える老舗だ。「ネジの販売を通じて社会にアイデアで奉仕することをモットーにしている」と河野会長は話す。

 単に仕入れて販売するだけの卸売業ではなく、顧客や取引先から得たヒントをベースに、コノエならではのオリジナル商品を提供する「創造開発型商社」を標(ひょう)榜(ぼう)する。

 代表例のひとつがヒットを飛ばした「測量鋲」。開発のきっかけは「知り合いの測量屋からこんなものできないか」と相談をもちかけられたことから。

 測量鋲は工事の基準となる測量点に打ち込むくぎのこと。河野さんは鋲の頭部十字の溝を刻んで測量時の精度を向上させ、ネジ技術を生かしてらせん状に溝を切ることにより、打ち込みやすく抜けにくい測量鋲の開発に成功した。

 1960年代後半のことで、瞬く間に日本中の道路測量に欠かせない測量鋲として飛ぶように売れた。2006年には国土交通省の委託で、緯度・経度・水準などの道路情報が記録されたICチップ入り鋲を開発している。

 測量鋲に続く最近のヒット商品が簡単に主婦でも手で閉められる「ノブスター」だ。

 ネジにプラスチックの握り手をつけたもので「こんなものがあったら便利やな」という河野会長のアイデアで誕生した。

 今でこそ家庭をはじめ、身近で便利なボルト、ナットとして親しまれているが、発売当初はなかなか売れなかったという。

 「ほとんどあきらめていました。しかし、10年くらいたってから健康機器業界でこれは便利だ、と採用されてから飛ぶように売れました」と振り返る。

 ホームセンターなどではネジがパック詰めで売られているが、「ミックパック」の名称でネジをパック商品として売り出したのも河野さんのアイデアだ。

 これまでの袋詰めの欠陥を改良したパック販売は大当たりし、業務用ネジのデリバリー革命を生んだ。

 アイデアがわいたら「こんなもん作って欲しいんやけど」と周囲の協力工場に持ち込む。

 河野会長は、月に1回程度こうした協力工場の人たちと意見交換を行い、それを総括して商品化に結び付けていく。アイデア(発想力)を形(企画力)にして、商品化(開発力)し、商売(販売力)に結びつける。

 コノエは、アイデアを生み出す社風を若手社員に継承するため、アイデアの提案制度を設け、奨学資金も提供する力の入れようだ。

 コノエは間もなく創業60周年を迎えるが、「これを機に孫へバトンタッチし、コノエの新しい飛躍の幕を開けたい」と目を細める。

 ホノルルマラソンは今後もずっと続けるそうだ。

■会社概要

本社   大阪市中央区上汐2丁目6-10

     (電)06・6746・1903

資本金  9750万円

社長   岡田久美氏

創業   昭和27年6月

事業内容 ネジ製品全般、測量鋲、杭・明示板の販売など。

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