ソフトバンク“悲願のプラチナバンド” 25日開始、当初は利用区域・機種限定

2012.7.24 05:00

 ソフトバンクモバイルは25日、900メガヘルツ帯周波数を利用した携帯電話向けサービスを開始する。障害物があっても電波が届きやすい特性から“プラチナバンド”と呼ばれる周波数帯で、「つながりにくい」と利用者の不満が募っていたソフトバンクにとっては悲願だ。同様の周波数で先行するNTTドコモやKDDIに追いつく大きな転換点だが、サービスが利用できるようになるには時間もかかりそうだ。

 ソフトバンクの計画によると、今年度末の900メガヘルツ対応基地局は1万5600局と人口カバー率はわずか22.2%。90%を超えるのは14年度まで待たなければならない。孫正義社長が「最初の1週間で数百局」と話すとおり、900メガヘルツ周波数利用の当初のサービス区域はごく狭い。

 同社の2.1ギガヘルツ周波数中心の基地局数は18万強で、900メガヘルツ対応はわずか3%程度。サービス開始時点で利用可能なスマートフォン(高機能携帯電話)は「iPhone(アイフォーン)4」「同4S」など10機種。今後発売する端末はすべて対応する見通しだが、「つながりやすい」電波の恩恵を受けられない利用者は少なくない。

 5月25日の夏モデル発表会で孫社長は「“垂直立ち上げ”で一気に改善していく」と意気込んだが、実際には「既存の2.1ギガヘルツ基地局ネットワークに900メガヘルツをかぶせていくのは容易ではない」(同社幹部)。

 同社は26日以降、900メガヘルツのカバーエリアをホームページで順次提示するが、計画は未公表。「サービスが使えることを確認してから掲載する」(同社関係者)ことで、確実にエリア拡大を進めていきたい考えだ。

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