ゲーセンの「時間課金制」検討 消費税増税でバンダイナムコ・石川社長

2013.7.5 06:20

 バンダイナムコホールディングス(HD)の石川祝男社長は4日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、ゲームセンターに時間課金制の導入を検討していることを明らかにした。2014年4月に予定される消費税増税による、ゲームセンターの売り上げ減を補うのが狙い。また、ブラジルに新会社を設立したことも表明、海外シフトを強める考えも強調した。

 消費税増税について、石川社長は「一番影響が出るのはゲームセンター事業だ」と指摘。「たとえば1時間500円程度の時間課金制導入や、イベント開催やグッズ販売を絡め、全体の底上げを図っていく」と述べ、1回100円のゲーム機利用料の引き上げには慎重な姿勢を示した。

 すでに一部の施設でこれらの実証実験を始めており、利用者の反応をみながら具体的な対応を判断する。

 一方、海外事業については、ブラジルにゲームソフトなどの販売会社を5月に設立した。14年のサッカーワールドカップなどを控え、購買力がついてきた中間所得層など個人需要を取り込む。

 ただ、売上高に占める海外事業の比率は現在約17%にとどまる。石川社長は「国内事業を拡大しながら、海外事業も同じぐらいにする」と述べ、早い時期に50%を目指すとした。地域別では、新興国中心に伸ばし、「アジアは約4割、北米と欧州は3割ぐらいずつにしたい」と語った。

 中長期の成長に向け、同社は人気キャラクターやコンテンツを中心にアニメやゲーム、玩具などの販売を伸ばす「IP軸戦略」をとっている。

 その一環として、人気ゲームキャラクター「パックマン」の世界展開を進める。北米に続き、40カ国以上でアニメを放送する計画だ。パックマン関連の売上高は初年度に35億円を目指している。

 キャラクターなどの創出に向け、7月下旬にシンガポール、8月下旬にカナダに開発拠点を開設し、日本主導で世界の市場で通用するコンテンツを開発する。石川社長は「この2カ所の状況次第では、さらに海外の開発拠点を増やす可能性もある」と述べた。

 ゲーム事業では、売上高の1割程度を占めるソーシャルゲームについて、石川社長は「国内市場は頭打ち」との認識を示した一方で、「韓国や台湾など、消費者の好みが日本と似ているアジアで伸ばす」と述べた。

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