KDDI、MNP24カ月連続首位 スマートバリューなど顧客満足度高める

2013.10.24 06:00

 スマートバリュー、LTEなどのサービス反映

 携帯キャリア各社が発表した9月の携帯電話契約状況でKDDI(au)は、同じ電話番号で通信事業者を変更できる番号持ち運び制度(MNP)による顧客転入数で24カ月連続の首位を達成した。9月の転入数は11万800件に達し、2013年3月に次ぐ高い水準で、引き続き好調を維持している。

 同社がMNPで24カ月連続の首位を維持したポイントは、顧客満足度の維持向上にある。特に寄与してきたのは、光ファイバーなどの固定通信サービスに加入すればスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の通信料金を最大2年間、毎月1480円割り引く「auスマートバリュー」だ。

 13年8月には提携ケーブルテレビ局が全国の約半数となる200局を超え、全ケーブルテレビ局の加入世帯数でも80%をカバー。多くのユーザーがこの割引対象になる点が強みだ。12月には単身世帯を対象に、Wi-Fiルーターと組み合わせたサービス「auスマートバリューmine」を展開し、さらなる顧客満足度の向上につなげる。

 昨年3月にスタートした「auスマートパス」も転入超過に寄与した。月額390円で500種類以上のアプリが取り放題の同サービスは、スマホ初心者から上級者までを満足させる厳選したラインアップで、会員数は順調に増加。9月時点で会員数は800万人を突破した。

 スマホユーザーの裾野拡大にも対応し、初心者向けに遠隔操作や自宅訪問によるスマホ説明などを提供する「auスマートサポート」も展開する。このほか会員向けにバスツアーなどスマホのリアルな利用シーンが体験可能なイベントを開催する計画だ。

 また今後、さらなるメリットとなりそうなのが、同社が特に米アップルのiPhone(アイフォーン)新モデル「5s」と廉価版「5c」のユーザーに強く訴求する、プラチナバンドでの高速データ通信サービスのLTEだ。

 700~900MHz(メガヘルツ)の周波数帯域「プラチナバンド」は、コンクリート壁も透過し、障害物を回り込む性質が強いことから、電波の浸透性が高く、GHz(ギガヘルツ)帯の電波より屋内エリアでも有利とされる。このため、遠い場所やビルの内部、建物や地形の影響を受けにくく、電波がよく届くため、価値が高い周波数帯としてプラチナと表現されている。

 KDDIは特に800MHz帯の周波数で優位に立っており、都市部を中心に“つながりやすさ”の訴求をテレビCMなどを通じて展開、連続首位の更新を目指している。

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