「リケジョ」ほしい…人材確保にメーカー必死 「絶対数少ない」

2014.1.24 07:00

 メーカー各社が理系を専攻する女子学生「リケジョ(理系女子)」の採用に力を入れている。コニカミノルタは23日、自社のプラネタリウムで初めてリケジョ向け会社説明会を開催した。専門知識を持つ優秀な人材の確保は企業の競争力に直結する。日立製作所が今年から関西でも説明会を実施するなど、企業側も獲得に必死だ。

 コニカミノルタは複写機に加え、プラネタリウムの製造も手がける。今回、会社説明会を東京・池袋の直営プラネタリウムで行い、約160人のリケジョが参加。上映のほか、育児休職制度の紹介や女性社員との懇談会も実施した。

 同社では「機械や工学を専攻する学生は絶対数が少ない。まず会社に興味を持ってもらいたい」と話す。

 日立は昨年初めてリケジョ向け説明会を東京で開いた。今年は大阪でも開催し、対象も研究開発職のほか、他の技術系職種に広げる。

 同社では「(リケジョは)食品会社などを選ぶ人が多く、重電メーカーを受ける人はさらに少なくなる」と打ち明ける。三菱重工業も昨年からリケジョ向け説明会を実施している。

 メーカーにとって、技術系人材の確保は開発面などで競争力を左右する。顧客の多様なニーズにこたえるには、女性を含めた人材の多様性(ダイバーシティ)推進も欠かせない。

 日立は女子中高生向けの講演なども実施。三菱電機など8社と東大など12大学は企業の研究開発に大学院生を参加させる仕組み作りにも乗り出している。

 日本が産業競争力を維持するには、産官学が一体となり女性を含めた理系人材の育成に向けた環境整備を進める必要がある。

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