ダイソンの“羽根なし扇風機”進化 運転音&消費電力を大幅カット

2014.4.7 05:46

■【家電Watch】

 運転音75%、消費電力40%削減

 “羽根のない扇風機”として、一世を風靡(ふうび)したダイソンのエアマルチプライアーが「Dyson Cool ファン」と名前を変えて、5月1日に発売される(本体カラーが異なるダイソンオンラインストア限定モデルは、すでに発売)。今回は発売前の製品を一足早く手に入れることができたので、さっそくその進化をチェックしてみた。

 「Dyson Cool ファン」の一番の特徴は、音が小さくなったこと。高品質のスピーカーや、車の排気口などに採用されているノイズキャンセラー技術を採用。具体的には、土台部分に内蔵されているモーターの下部にヘルムホルツ式空洞と呼ばれるスペースを設けた。音波が空洞に入ると、音が穴の中でバウンスし、ノイズが大幅に中和されるという。

 静かで効率的な気流

 また、本体全体の設計を見直すことで、乱気流を大きく低減、これにより、静かで効率的な気流を形成できるようになった。これらの改良により運転音は最大75%、消費電力は最大40%削減しているという。

 「AM07 タワーファン」「AM06 テーブルファン」の2機種が用意されているが、今回はAM06テーブルファンを実際に自宅で使ってみた。テーブルに置いて使える高さ552ミリで、重さ1.83キロと片手で移動できるサイズだ。

 これまで、ダイソンの扇風機をいくつか使ってきたが、その一番の不満は運転音だった。

 確かに、独自の送風方法による風質は心地良く、見た目もかっこ良い、安全性も高いのだが、音が気になる。ある程度の風量が欲しければ、テレビの音量を2~3つ上げなくてはならなかったし、寝室で使っていても、運転音が気になった。

 それが新製品では、劇的に改善された。しかも、AM06の風量は、従来モデルと同等を維持している。これならば、リビングはもちろん、寝室でも躊躇(ちゅうちょ)なく使うことができる。消費電力は最小3ワットで、ごくごく弱い微風にも対応しているので、強い風をあてたくない、赤ちゃんがいる家庭にもお勧めだ。

 クールなデザイン

 ダイソンの扇風機といえば、やはりそのデザイン性は外せない。今回選んだ「ブラック×ニッケル」は、扇風機としては珍しい色の組み合わせで、クールな印象。部屋に置くと、かなり存在感がある。

 本体は、送風角度を調節できるので、テーブルの上に置いて下側に送風したり、床に置いて上向きに送風するのも良く、さまざまな使い方ができる。風量10にすると、かなり強い風を感じることができる。本体は小さいが、送風方向を上向きにすることで、上の方までしっかり風を感じることができる。このためテーブルファンが1台あれば、ほかに背の高いリビングファンや、タワー型のファンを買い足す必要はないだろう。

 風量は10段階で調節可能で、運転状況は土台部分のディスプレーに表示される。家電製品のディスプレーというと、とにかく大きくて、明るいのが正しいという風潮があるけれど、ダイソンのディスプレーはごくごく控えめ。付属のリモコンのデザインも、アイコンのみで文字表記は一切ないが、これで十分に分かる。

 斬新な機構と、デザインで、かなり話題になった製品だが、見た目のインパクトに頼らず、内部機構をしっかり見直してくるあたり、「さすがダイソン」だと感じた。従来モデルから使っている私にとっても、「音さえクリアできれば!」と感じていたところだったので、AM06の満足度はかなり高い。(インプレスウオッチ)

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