みずほ銀、メガバンク初の太陽光発電住宅ローン 売電収入、年収に合算

2014.9.10 07:24

 みずほ銀行は9日、太陽光発電の売電収入を年収に合算して融資の審査を行う「太陽光発電住宅ローン」を、3メガバンクでは初めて販売する方針を固めた。月内にも主要な住宅メーカーと契約し、販売を始める。

 新築の戸建て住宅の場合、太陽光発電の設置費は数百万円にのぼるため、住宅関連の購入費用が膨らみ、通常のローンでは審査に通りにくいケースも少なくなかった。新型の住宅ローンの利用が拡大すれば太陽光発電の普及を後押ししそうだ。

 例えば、年収450万円の人が3000万円で戸建て住宅を新築し、最大出力14キロワットの太陽光発電を450万円で導入する場合、仮に全てを借り入れ期間35年の住宅ローンで賄うとすれば、年収に占める年間のローン返済額の割合(返済比率)は4割強となる。返済比率が4割を超えると住宅ローン審査に合格するのは難しいとされ、太陽光発電の設置を見送らざるを得ない。

 みずほ銀の新住宅ローンの場合、太陽光で発電した電気を電力会社に売ることで得た収入を年収に組み込めるため、このケースだと年収は490万円に増える。返済比率も4割を切り、審査に通りやすくなるという。

 みずほは今後1~2年で、新住宅ローンの販売額を1200億~2400億円程度に伸ばしたい考えだ。

 消費税増税前の駆け込み需要の反動で、新築住宅の販売は2014年度に入って前年の同時期よりも2割程度の落ち込みが続いている。このため、メーカー各社は付加価値が高い太陽光発電付き住宅の販売に注力。政府も補助金制度などで普及を図っており、みずほは内需を喚起する経済対策にも貢献できると判断し、新住宅ローンを導入することにした。

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