ソニー2300億円赤字見通し 初の無配、1000人削減 15年3月期

2014.9.18 06:02

 ソニーは17日、2015年3月期連結業績予想を下方修正し、最終損益が2300億円の赤字に拡大する見通しだと発表した。従来予想は500億円の赤字だった。スマートフォン(高機能携帯電話)などのモバイル事業の不振で営業損失を計上するためで、約1000人の人員削減も行う。合わせて、15年3月期の年間配当を無配とする。無配はソニーが1958年に東京証券取引所に上場して以来初めて。

 ソニーはパソコン事業の売却や人員削減などの構造改革を進める一方、モバイル事業を赤字が続く電機部門再建の柱の一つと位置付けていた。だが、見通しの甘さが響き、結果的に業績の下方修正に追い込まれた格好だ。

 15年3月期の営業損益予想は従来の1400億円の黒字から400億円の赤字に下方修正した。

 中国メーカーの台頭などで競争が激化し、普及価格帯を中心にスマホの販売が苦戦。今回、収益力が低下したモバイル事業を再評価した結果、資産価値がこれまでより減少したとして、約1800億円の営業損失を計上することにした。

 ソニーは7月に、15年3月期のスマホの販売台数予測を5000万台から4300万台に下方修正し、計画見直しを公表していた。

 モバイル事業については、これまでスマホの販売増を目指していたが、収益性を重視する戦略に転換。人員の15%にあたる約1000人を削減してスリム化すると同時に、販売も採算が見込める地域や国に集中する。普及価格モデルの絞り込みや高価格モデルへのシフトも進め、立て直しを急ぐ。

 記者会見した平井一夫社長は、上場以来初の無配となったことについて「重く受け止めている」としたうえで、「なんとしても今期に構造改革をやりきり、来期に業績回復を果たす」と強調した。

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