NHK朝ドラ開始で“主役”ニッカ攻勢…50万円の限定ウイスキーも発売

2014.9.26 19:16

 アサヒビール傘下のニッカウヰスキーが26日、ブレンデッドウイスキーの新ブランド「ザ・ニッカ」を今月30日に発売すると発表した。同ブランドの数量限定ボトル「40年」(参考本体価格50万円)も売り出す。国産ウイスキー各社の販売は好調で、ニッカ創業者、竹鶴政孝氏の生涯を描くNHK連続テレビ小説「マッサン」も追い風に、市場のさらなる活性化を目指す。

 「竹鶴生誕120年、創業80年という記念の年にふさわしいウイスキーができた。新しい旗艦ブランドへと育てたい」。アサヒの平野伸一専務は、発表会見でそう意気込みを語った。

 700本限定の「ザ・ニッカ40年」は、同社史上で最高価格。1945年に蒸留した同社最古の原酒などをブレンドした、重層的で芳醇な香りの逸品だ。

 通年販売する「12年」(同5000円)は、従来のブレンデッドウイスキーよりも比率を増やしたモルトのコクと、グレーンのまろやかな甘さが調和。いずれも竹鶴が自ら考案した狛犬と兜のエンブレムを瓶にあしらい、高級感を演出している。

 今年上期の国内ウイスキー需要は前年同期比で約4%成長。拡大を支えているのはここ数年来のハイボール人気だが、それを入口にファン層が広がった高価格帯の本格ウイスキーは、より大きな伸びを示している。

 ニッカの1~8月販売実績をみると、「ブラックニッカ」の6%増に対して「竹鶴」は39%伸長。今後の「マッサン効果」も期待し、竹鶴の年間販売計画を当初比2割増、前年比4割増の186万本に上方修正した。

 キリンディスティラリーも、主力「富士山麓」の販売が約10%増と好調。最大手サントリー酒類は昨年から20億円を投じ、原酒生産力を4割引き上げた。

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