2015.1.30 07:05
ダイハツ工業が29日に発表した2014年4~12月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比46.8%減の510億円と大幅に落ち込んだ。軽自動車市場で首位を競うスズキと激しいシェア(市場占有率)争いを繰り広げたために、営業費用がかさんだことが大きな要因だ。
営業利益は前年同期に比べ449億円減少した。このうち値引きの“原資”となるディーラーへの販売奨励金や販売促進費などの営業費用は、52億円の減益要因になった。
営業利益の大幅減を受け、最終利益は45.5%減の279億円にとどまった。
売上高は6.3%減の1兆2680億円だった。
消費税増税の影響で新車需要が低迷した今年度、ダイハツは一部改良を含め過去最多の6車種を投入して販売テコ入れを図った。
だが、スズキと昨年末まで競り合った結果、年間シェアはスズキが約3000台差で8年ぶりに首位を奪還した。
激しい販売競争でダイハツの4~12月期の軽販売は約48万台と前年同期比2%増えた。それにも関わらず、消耗戦となったため業績は落ち込んだ。営業利益1100億円を掲げた通期の業績予想は据え置いたが、残り3カ月で進捗(しんちょく)率は5割弱にとどまる。
入江誠取締役は29日の会見後、記者団に対し「営業費用のばらまきはもうしない。弱点の東日本へ集中投下するなど使い方を見直したい」と述べ、営業戦略を変更する考えを明らかにした。